「ティラミスを食べたいけれど、カフェインって入っているの?」
夜にティラミスを食べるときや、妊娠中、子どもと一緒に食べるときなど、気になったことがある人もいるのではないでしょうか。
結論からいうと、一般的なティラミスにはコーヒーやココアが使われるため、カフェインが含まれる可能性があります。
とはいえ、「ティラミス一切れにはカフェインが○mg入っている」と簡単に答えることはできません。使うコーヒーの濃さや量、ティラミスのサイズ、ココアやチョコレートの使用量などによって変わるからです。
この記事では、ティラミスにカフェインが入る理由から、一人分の量を考える方法、コーヒーや紅茶との比較、妊娠中や子どもが食べる場合の注意点、カフェインを控えたティラミスの選び方まで分かりやすく解説します。
「ティラミスを食べていいのか不安」という人も、必要以上に怖がる必要はありません。
どの材料にカフェインが含まれているのかを知り、一日全体の摂取量を考えられるようになれば、自分に合った楽しみ方を選びやすくなります。
ティラミスにカフェインは入っている?
ティラミスには基本的にカフェインが含まれる
ティラミスには、基本的にカフェインが含まれていると考えたほうがよいでしょう。理由は、一般的なティラミスのレシピでは、スポンジやフィンガービスケットにコーヒーやエスプレッソを染み込ませて作るからです。
カフェインというと「コーヒーを飲んだときに摂るもの」というイメージが強いかもしれません。しかし、コーヒーを材料として使ったお菓子からもカフェインを摂取します。つまり、ティラミスは飲み物ではありませんが、コーヒーを使っている以上、カフェインが含まれる可能性が高いお菓子です。
食品安全委員会では、一般的なコーヒーのカフェイン濃度の代表値を100mLあたり60mgと紹介しています。ただし、これはあくまでもコーヒーそのものの目安です。ティラミスの場合、コーヒーをどのくらい使うか、一台を何人で分けるかによって、一人分のカフェイン量は大きく変わります。
さらに、仕上げに使われるココアにもカフェインが含まれることがあります。そのため、「コーヒーを少ししか使っていないからカフェインはゼロ」と考えるのは適切ではありません。
一方で、ティラミスを一口食べただけで、必ず大量のカフェインを摂取するという意味でもありません。大切なのは、ティラミスという名前だけで判断するのではなく、使われている材料や量を見ることです。
特にカフェインを控えている人、妊娠中の人、子どもに食べさせたい人、夜に食べたい人は、「ティラミスにはカフェインが含まれる場合がある」と覚えておくと判断しやすくなります。
カフェインの主な由来はコーヒーとココア
ティラミスに含まれるカフェインは、主にコーヒーとココアに由来します。とくに影響が大きくなりやすいのが、スポンジやビスケットに染み込ませるコーヒーです。
昔ながらのティラミスでは、濃いコーヒーやエスプレッソを使うことがあります。コーヒー液をたっぷり染み込ませれば、その分だけ完成したティラミスに含まれるカフェインも増える可能性があります。逆に、香り付け程度に少量しか使用しないレシピなら、コーヒー由来の量は少なくなります。
食品安全委員会が示している代表値では、一般的なコーヒーは100mLあたり約60mgのカフェインを含みます。一方、欧州食品安全機関(EFSA)は、エスプレッソ60mLを約80mg、フィルターコーヒー200mLを約90mgの目安として紹介しています。豆の種類、量、抽出方法などによって数字は変化するため、「エスプレッソだから必ず○mg」と決めることはできません。
もう一つ見落とされやすいのがココアです。カカオ由来の食品にはカフェインが含まれています。Health Canadaでも、チョコレートやココア製品がカフェインを含む食品として紹介されています。
ティラミスの表面に振りかけるココアは通常それほど大量ではありません。そのため、多くのレシピではコーヒーのほうがカフェイン量への影響が大きいと考えられます。ただし、ココアも完全なカフェインゼロではない点は知っておきたいところです。
ティラミスのカフェインをできるだけ減らしたいなら、コーヒーだけでなくココアまで含めて材料を確認する必要があります。
マスカルポーネや卵にはカフェインがある?
ティラミスの代表的な材料には、マスカルポーネチーズ、卵、砂糖、コーヒー、ココア、スポンジやフィンガービスケットなどがあります。この中でカフェインを考える際に中心となるのは、コーヒーとカカオ由来の材料です。
マスカルポーネは乳製品であり、通常のマスカルポーネそのものをティラミスの主なカフェイン源として考える必要はありません。卵や砂糖も同様です。Health Canadaが天然のカフェインを含む代表的なものとして挙げているのは、コーヒー、茶、チョコレート、ガラナなどです。
そのため、ティラミスのカフェイン量を知りたい場合に、最初に確認したいのは「マスカルポーネが何グラム入っているか」ではありません。「コーヒーを何mL使っているか」「どのようなコーヒーを使っているか」「ココアやチョコレートをどのくらい使っているか」を見るほうが重要です。
ただし、市販品では事情が少し変わります。ティラミス風クリームやチョコレートソース、コーヒーエキスなど、家庭のティラミスには使わない原材料が入る商品もあります。その場合は、商品全体のレシピによってカフェイン源が増える可能性があります。
また、「チーズだからカフェインゼロ」「卵のお菓子だから大丈夫」と材料の一部だけで判断することも避けたいところです。ティラミスは複数の材料を重ねて作るお菓子なので、完成品全体で考える必要があります。
カフェインを気にする場合は、クリーム部分よりも、コーヒー液・ココア・チョコレート系の材料に注目すると分かりやすいでしょう。
コーヒーを使わないティラミスならカフェインゼロ?
コーヒーを使わないティラミスならカフェインをかなり減らせる可能性があります。しかし、「コーヒーなし=必ずカフェインゼロ」とは限りません。
その理由の一つがココアです。一般的なティラミスでは、最後にココアパウダーを表面へ振りかけます。カカオ由来の食品にはカフェインが含まれるため、コーヒーを使わなくても、ココアやチョコレートを使っていれば少量のカフェインが含まれる可能性があります。Health Canadaでも、ココアやチョコレート製品にカフェインが含まれる例を示しています。
また、コーヒーを使わない代わりに紅茶や抹茶を使ったティラミスもあります。これらもカフェインを含む飲み物です。食品安全委員会による代表値では、紅茶は100mLあたり30mg、せん茶は100mLあたり20mgのカフェインが含まれる例が示されています。
つまり、「コーヒーティラミスではない」というだけでは、カフェインの有無を判断できません。
本当にカフェインをできるだけ避けたいのであれば、コーヒーだけでなく、紅茶、抹茶、ココア、チョコレートなども確認する必要があります。
家庭で作る場合は、カフェインレスのコーヒーを使ったり、カフェインを含まない飲み物でスポンジをしっとりさせたりする方法があります。ただし、デカフェやカフェインレスでもカフェインが完全にゼロとは限りません。
「カフェインゼロに近づけたい」のか、「普通のティラミスより減らせればよい」のかによって、材料の選び方を変えるとよいでしょう。
市販のティラミスは商品によって含有量が違う
コンビニ、スーパー、洋菓子店、レストランなどで販売されているティラミスは、商品によって材料や作り方が異なります。そのため、カフェイン含有量についても同じとは限りません。
コーヒー液をたっぷり使った商品もあれば、コーヒーエキスを香り付け程度に使っている商品もあります。エスプレッソを強く効かせた本格タイプと、マスカルポーネ風クリームを中心にしたティラミス風スイーツでは、カフェイン量が異なる可能性があります。
注意したいのは、すべてのティラミスに「カフェイン○mg」と表示されているわけではないことです。原材料欄に「コーヒー」「コーヒーエキス」「ココアパウダー」などが書かれていても、それだけでは使用量まで分からない場合があります。
そのため、市販品について「このサイズならカフェインは○mg」と外見だけから推測するのは難しいでしょう。
カフェイン摂取を厳密に管理する必要がある場合は、メーカーが公式サイトなどでカフェイン量を公開しているか確認するか、必要に応じて販売元へ問い合わせる方法があります。
また、商品はリニューアルによって原材料や配合が変更されることがあります。過去のブログや口コミの情報だけで判断せず、現在販売されている商品の表示を見ることが重要です。
市販のティラミスは「ティラミス」という名前が同じでも中身はさまざまです。カフェインが気になる場合は、商品名より原材料やメーカー情報を確認する習慣をつけると安心して選びやすくなります。
ティラミスに含まれるカフェイン量の目安
ティラミス1個のカフェイン量は一律に決められない
「ティラミス1個にはカフェインが何mg入っていますか?」という疑問を持つ人は多いでしょう。しかし、ティラミスについて一律に「1個○mg」と示すことは困難です。
ティラミスには決められた一つのレシピがあるわけではありません。コーヒーをたっぷり使うレシピもあれば、少量をスポンジに塗るだけのものもあります。カップサイズも小さなものから大きなものまであり、一台のティラミスを何等分するかによっても一人分は変わります。
さらに、コーヒー自体のカフェイン濃度にも差があります。食品安全委員会は、コーヒーに含まれるカフェイン量は原材料の種類や量、抽出方法などによって異なると説明しています。代表値としては100mLあたり60mgですが、すべてのコーヒーがこの数字になるわけではありません。
たとえば、仮に100mLあたり60mgのカフェインを含むコーヒーを100mL使い、完成したティラミスを6等分したとします。単純計算なら、コーヒー由来のカフェインは一人分あたり約10mgです。
ただし、これは説明のための計算例であり、「ティラミス一切れは10mg」という意味ではありません。実際にはコーヒーの濃度や使用量が違い、ココア由来のカフェインも加わる可能性があります。
ティラミスのカフェイン量を知るときは、完成品の名前から推測するより、レシピに使われたコーヒーなどの量から考えるほうが現実的です。
使用するコーヒー量からカフェインを考える方法
手作りティラミスなら、使用したコーヒーの量から一人分のカフェインをおおまかに計算できます。
食品安全委員会が示している一般的なコーヒーの代表値は、100mLあたり60mgです。つまり、同じ濃度だと仮定すれば、50mLなら約30mg、100mLなら約60mg、150mLなら約90mgという計算になります。
ここから、完成したティラミスを何人で分けるかを考えます。
| コーヒー使用量 | コーヒー由来のカフェインの計算例 | 6等分した場合 |
|---|---|---|
| 50mL | 約30mg | 約5mg |
| 100mL | 約60mg | 約10mg |
| 150mL | 約90mg | 約15mg |
| 200mL | 約120mg | 約20mg |
この表は、100mLあたり60mgという代表値を使った単純計算です。実際のティラミスに含まれる量を測定したものではありません。
また、コーヒー液が容器に残ったり、スポンジがすべて吸収しなかったりすることもあります。反対に、濃いエスプレッソを使えば同じ液量でもカフェイン量が異なる可能性があります。ココアやチョコレートを使えば、そこから摂取するカフェインも考慮する必要があります。
それでも、自宅で作るティラミスなら「コーヒーをどのくらい入れたのか」が分かるため、市販品より目安を立てやすいのがメリットです。
カフェインを減らしたい場合は、コーヒー液の量を減らすだけでなく、デカフェに置き換える方法もあります。
エスプレッソを使ったティラミスはカフェインが多い?
本格的なティラミスではエスプレッソを使うレシピがよく見られます。そのため、「エスプレッソを使ったティラミスは普通のコーヒーよりカフェインが多いのでは?」と思う人もいるでしょう。
ここで注意したいのが、「濃く感じること」と「一回に摂取するカフェイン量」は同じではないことです。
EFSAでは目安として、エスプレッソ60mLに約80mg、フィルターコーヒー200mLに約90mgのカフェインが含まれる例を示しています。エスプレッソは少量でも濃い一方、通常は一回に使う量も少なめです。
そのため、「エスプレッソだから必ずティラミスのカフェインが多い」とは言い切れません。重要なのは、どのコーヒーを何mL使用したかです。
たとえば、エスプレッソを少量しか使わないティラミスと、一般的なドリップコーヒーを大量に染み込ませたティラミスを比べれば、後者のほうが一人分のカフェイン量が多くなる可能性もあります。
さらに、コーヒー豆、抽出方法、濃さによってカフェイン量は変わります。食品安全委員会も、原材料や抽出方法による違いがあるため、一概には言えないとしています。
カフェインを気にしている場合、「エスプレッソ使用」という言葉だけを見て判断する必要はありません。使用量と一人分の大きさをあわせて考えることが大切です。
ココアパウダーにもカフェインは含まれている
ティラミスのカフェインを考える際、忘れられやすいのが表面にかけるココアパウダーです。
カフェインはコーヒーだけに含まれる成分ではありません。カカオ由来の食品にも天然のカフェインが含まれています。Health Canadaは、カフェインを自然に含む食品としてコーヒーや茶とともにチョコレートを挙げています。また、チョコレートやココアを使った食品についてもカフェイン量の例を掲載しています。
ただし、ティラミスに振りかけるココアパウダーは、コーヒー液に比べて使用量が少ないことが一般的です。そのため、多くの場合、まず注目したいのはコーヒー由来のカフェインでしょう。
とはいえ、「コーヒーを使わなければ完全にカフェインゼロになる」と考えている場合には重要なポイントです。ココアを使っていれば、少量のカフェインが含まれる可能性が残ります。
また、ティラミスのアレンジレシピでは、ココアだけでなくチョコレートを削ったり、チョコレートソースを加えたりするものもあります。その場合、カカオ由来のカフェイン源が増えます。
一方で、通常のティラミスを食べる人が、ココアのカフェインだけを細かく恐れる必要があるという意味ではありません。大切なのは、コーヒー、ココア、チョコレートなど、カフェインを含む材料を合計して考えることです。
手作りと市販ティラミスでカフェイン量は変わる?
手作りティラミスと市販ティラミスでは、カフェイン量が違う可能性があります。ただし、「手作りのほうが少ない」「市販品のほうが多い」と単純に分けることはできません。
手作りの大きなメリットは、自分で材料と使用量を把握できることです。コーヒー100mLを使用した、6人分に分けた、デカフェを使った、という情報が分かるため、おおよそのカフェイン量を考えやすくなります。
市販品の場合、原材料表示からコーヒーやココアを使用していることは確認できても、具体的な使用量が分からないケースがあります。そのため、一人分のカフェイン量を正確に計算するのは難しくなります。
また、商品によって味の設計も違います。コーヒーの苦味を強くした大人向けの商品もあれば、クリームを中心にした甘めの商品もあります。同じ100gのティラミスでも、レシピが違えばカフェイン量は同じとは限りません。
市販品を選ぶ場合は、まず原材料表示を確認しましょう。「コーヒー」「コーヒーエキス」「ココア」「チョコレート」などの表示があるかが一つの手がかりになります。
ただし、原材料欄だけから正確なカフェイン量を算出することはできません。摂取量を厳密に管理する必要がある場合は、メーカーがカフェイン量を公開しているか確認するほうが確実です。
ティラミスのカフェインはコーヒーと比べて多い?
コーヒー1杯のカフェイン量と比較
ティラミスにカフェインが含まれると聞くと、コーヒー1杯と比べて多いのか少ないのかが気になるところです。
食品安全委員会が示している代表値では、コーヒーは100mLあたり約60mgです。200mLのカップなら単純計算で約120mgになります。デカフェコーヒーについては、100mLあたり6mg、200mLで12mgという例が掲載されています。
一方、ティラミスは一人分の標準的なカフェイン量が決まっていません。
仮に100mLあたり60mgのコーヒーを100mL使って6人分を作った場合、コーヒー由来は一人分約10mgという単純計算になります。この例では200mLのコーヒー1杯よりかなり少なくなります。
しかし、これは特定の条件を置いた計算例です。濃いコーヒーを多く使ったティラミス、大きく切り分けたティラミスでは数字が変わります。ココアやチョコレートからのカフェインも加わる可能性があります。
そのため、「ティラミス一切れはコーヒー一杯の何分の一」と一律に表現するのは適切ではありません。
カフェインを管理したい人にとって大切なのは、ティラミスだけの数字を気にすることではなく、その日に飲んだコーヒーやお茶なども含めて考えることです。ティラミスとコーヒーをセットで楽しむ場合は、両方を合計して考えましょう。
紅茶・緑茶など身近な飲み物とも比較
カフェインを含む身近な飲み物はコーヒーだけではありません。紅茶や緑茶にもカフェインが含まれているため、ティラミスを食べる日のカフェイン摂取量を考えるときは、普段飲んでいるお茶にも目を向ける必要があります。
食品安全委員会が紹介している代表値では、コーヒーは100mLあたり60mg、紅茶は30mg、せん茶とウーロン茶は20mgです。200mL飲んだと単純計算すると、コーヒー約120mg、紅茶約60mg、せん茶約40mgとなります。
| 飲み物 | 100mLあたりの代表値 | 200mLの場合の計算例 |
|---|---|---|
| コーヒー | 60mg | 120mg |
| 紅茶 | 30mg | 60mg |
| せん茶 | 20mg | 40mg |
| ウーロン茶 | 20mg | 40mg |
| 麦茶 | 0mg | 0mg |
これらは代表的な値であり、茶葉や抽出方法によって変わります。
たとえば午後にティラミスを食べながら紅茶を飲み、その後にコーヒーを飲むと、それぞれからカフェインを摂取することになります。「ティラミスに入っている量だけ」を見ていても、実際の一日の摂取量は分かりません。
反対に、飲み物を麦茶などのカフェインを含まないものに変えれば、ティラミスを楽しみながら飲み物からのカフェイン摂取を抑えることもできます。
ティラミスとコーヒーを一緒に食べるときの考え方
ティラミスとコーヒーは相性がよく、カフェやレストランでは一緒に注文する人も多い組み合わせです。ただし、カフェインを控えたい場合は、ティラミスと飲み物を別々ではなくセットで考えることが重要です。
たとえば200mLのコーヒーには、食品安全委員会の代表値を使った単純計算で約120mgのカフェインがあります。そこにコーヒーを使ったティラミスを加えれば、さらにカフェインを摂取することになります。
その日の朝にコーヒーを飲み、昼食後にもコーヒーを飲んでいるなら、デザートの時間だけを見て判断するのではなく、一日分を合計することが大切です。
厚生労働省も、カフェインを含む複数の製品を合わせて摂取するときには注意するよう案内しています。また、日本では個人差が大きいことなどから、カフェインについて一律のADIは設定されていません。
カフェインが気になる場合は、ティラミスをやめる方法だけが選択肢ではありません。セットのコーヒーをデカフェにする、麦茶や水にする、ティラミスを小さめにする、といった調整もできます。
「何を食べてはいけないか」と考えるより、「その日の合計をどう調整するか」と考えるほうが、食事を楽しみながらカフェインを管理しやすくなるでしょう。
「少量だから大丈夫」と決めつけないほうがよい理由
ティラミスに使われるコーヒーは一人分にすると少量になることがあります。そのため、「デザートだから気にするほどではない」と考える人もいるでしょう。
たしかに、一般的なティラミス一切れが必ず大量のカフェインを含むわけではありません。しかし、カフェインの感じ方には個人差があります。
厚生労働省によると、カフェインを過剰に摂取すると、めまい、心拍数の増加、興奮、不安、震え、不眠、下痢、吐き気などが起こる場合があります。また、感受性には個人差があることから、日本でも一律の一日摂取許容量は設定されていません。
さらに、ティラミスだけなら少量でも、その日にコーヒー、紅茶、緑茶、コーラ、エナジードリンク、チョコレートなどを摂っていれば、合計量は増えていきます。
睡眠への影響についても個人差があります。EFSAは、成人では100mg程度のカフェインでも、就寝時間に近いタイミングで摂取すると、一部の人で睡眠時間や睡眠パターンに影響する可能性があるとしています。
つまり、重要なのは「ティラミスだから大丈夫」「少量だから絶対問題ない」と決めることではありません。
自分がカフェインに敏感だと感じるなら、一般的な目安より少ない量でも控える、夜は避けるなど、自分の体調に合わせて判断しましょう。
1日全体のカフェイン摂取量で考えることが大切
ティラミスのカフェインについて考えるとき、最も大切なのは一日の合計量を見ることです。
カフェインは、コーヒーだけから摂取するものではありません。紅茶、緑茶、コーラ、チョコレート、エナジードリンクなどにも含まれています。ティラミスの量が少なくても、そのほかの食品や飲み物を合わせれば摂取量は増えます。
日本では、個人差が大きいことなどから、カフェインについて一律のADIは設定されていません。一方、海外機関では参考となる数字を示しています。EFSAでは、健康な成人について一日400mgまでの摂取は安全性上の懸念を生じないと評価しています。ただし、妊娠中は別の目安が示されています。
ここで大事なのは「400mgまでなら必ず飲んでよい」と読み替えないことです。これは健康な成人を対象にした安全性評価であり、カフェインへの感受性は人によって違います。
たとえば午前中にコーヒー、昼に緑茶、午後にティラミスとコーヒー、夕方にチョコレートという日は、複数の食品から摂取することになります。
カフェインが気になる人は、ティラミスだけを細かく計算するより、朝から夜までに何を飲み、何を食べたかを簡単に振り返るほうが実用的です。
カフェインが気になる人がティラミスを食べるときの注意点
夜にティラミスを食べるなら時間にも注目
夕食後のデザートとしてティラミスを食べる場合、カフェイン量だけでなく、食べる時間にも注目したいところです。
カフェインには覚醒作用があり、人によっては睡眠に影響することがあります。EFSAでは、成人の場合、100mg程度のカフェインでも就寝時間に近いタイミングで摂取すると、一部の人では睡眠時間や睡眠パターンに影響する可能性があるとしています。
ただし、ここから「夜のティラミスには100mg入っている」と考えるのは誤りです。ティラミス一人分に含まれるカフェイン量はレシピによって違います。
大切なのは、自分がカフェインにどの程度敏感なのかを知ることです。夕方にコーヒーを飲むだけで寝つきが悪くなる人なら、夜のティラミスにも注意したほうがよいでしょう。
逆に、普段から夕方にコーヒーを飲んでも特に気にならない人もいます。この差があるため、「何時以降は絶対にティラミスを食べてはいけない」という一律の時間を決めることはできません。
夜に食べたいけれどカフェインが気になる場合は、デカフェを使ったティラミスを選ぶ、小さめの量にする、飲み物はノンカフェインにするといった方法があります。
睡眠への影響を感じた経験があるなら、自分の体調を基準に食べる時間を調整するのがよいでしょう。
カフェインに敏感な人は量を控えめにする
同じ量のカフェインを摂っても、感じ方は人によって違います。少量のコーヒーでも眠れなくなる人がいる一方、あまり変化を感じない人もいます。
厚生労働省は、カフェインの健康影響には個人差が大きいと説明しています。そのため、日本ではカフェインについて一律のADIは設定されていません。
カフェインに敏感な人がティラミスを食べる場合は、「一般的な成人なら大丈夫そうだから」と他人の基準だけで判断しないことが大切です。
たとえば、コーヒーを飲んだあとに動悸を感じやすい、眠りにくくなる、不安感が強くなると感じているなら、ティラミスも少量から様子を見る方法があります。
また、ティラミスだけでなく、一緒に飲むコーヒーや紅茶にも注意しましょう。デザートそのもののカフェインが少量でも、飲み物を組み合わせれば合計量は増えます。
カフェインを減らしたい場合は、普通のティラミスを完全に我慢する以外にも方法があります。小さなサイズを選ぶ、デカフェを使った商品を選ぶ、飲み物を水や麦茶にするなど、全体を調整できます。
強い症状が出る場合や、医療上カフェイン制限を指示されている場合は、一般的なインターネット情報だけで判断せず、医師や医療専門職に確認してください。
妊娠中はティラミスだけでなく1日の摂取量を確認
妊娠中にティラミスを食べたい場合、カフェインについてはティラミス一品だけではなく、一日全体の摂取量を見ることが大切です。
食品安全委員会は、妊娠中だからカフェインを必ずゼロにする必要があるという案内ではなく、摂り過ぎに注意するよう呼びかけています。また、海外機関の目安として、EFSAは妊娠中のカフェイン摂取について一日200mgまでを示しています。WHOやカナダ保健省が示してきた数字とは違いがあるため、日本の一律の基準として扱わないことが重要です。
妊娠中に確認したいのは、朝のコーヒー、紅茶や緑茶、チョコレート、ティラミスなどを合計した量です。
さらにティラミスには、商品やレシピによって洋酒が使われる場合があります。妊娠中のティラミスを選ぶ際は、カフェインだけを確認すればよいわけではありません。アルコールの有無や、使用されている卵などについても商品やレシピを確認する必要があります。
市販品の場合、カフェイン量が表示されていないケースもあります。摂取量を厳密に管理したい場合は、メーカーへの確認も選択肢です。
妊娠経過や体調には個人差があります。食事について医師や助産師から個別の指示を受けている場合は、その指示を優先してください。
子どもが食べる場合に確認しておきたいポイント
子どもにティラミスを食べさせる場合も、コーヒーを使用しているかどうかを確認しましょう。
大人と比べて体重が軽い子どもでは、同じ量のカフェインを摂取しても体重あたりの量が大きくなります。そのため、大人の感覚だけで「一切れくらいなら同じ」と考えないことが大切です。
海外機関では子どもや青少年について体重を基準にした目安が示されています。EFSAは一日体重1kgあたり3mg、Health Canadaは18歳までについて一日体重1kgあたり2.5mgを目安としています。機関によって数値が異なる点にも注意してください。
たとえば体重20kgの子どもなら、2.5mg/kgで計算すると50mgです。ただし、これは「ティラミスなら50mgまで食べてよい」という意味ではありません。あくまでも海外機関による一日全体のカフェイン摂取に関する参考値です。
子どもの場合は、コーラ、チョコレート、お茶などからもカフェインを摂取する可能性があります。
さらにティラミスには洋酒を使うレシピもあるため、子ども向けではカフェインとアルコールの両方を確認することが重要です。
小さな子ども向けに家庭で作るなら、カフェインレスのコーヒーを使う、コーヒーを使わないティラミス風デザートにするなど、最初から材料を調整する方法もあります。
アルコール入りティラミスはカフェインとは別に注意が必要
ティラミスについて調べていると、カフェインと一緒に「アルコールは入っているの?」と気になることがあります。
ティラミスはレシピによって、マルサラ酒、ラム酒、コーヒーリキュールなどの洋酒を使うことがあります。一方、アルコールを使わないレシピもあります。そのため、「ティラミスなら必ずお酒入り」「ティラミスなら必ずノンアルコール」とは言えません。
ここで重要なのは、カフェインとアルコールは別々に考えることです。
「コーヒーをデカフェにしているから安心」と思っても、洋酒が使われている可能性があります。反対に、アルコール不使用の商品であっても、普通のコーヒーを使っていればカフェインを含む可能性があります。
特に妊娠中の人や子どもが食べる場合は、どちらか一方だけを見るのではなく、原材料や商品説明を確認してください。
市販のティラミスは商品によって配合が違うため、商品名や見た目だけで判断することはできません。「洋酒使用」「アルコール分」などの案内がないか、パッケージやメーカー情報を確認しましょう。
カフェインを控えたいという目的と、アルコールを避けたいという目的は別です。ティラミスを選ぶ際は、自分が何を避けたいのかを整理してから材料を見ると判断しやすくなります。
カフェインを控えたティラミスを楽しむ方法
デカフェ・カフェインレスコーヒーを使って手作りする
ティラミスの味わいを楽しみながらカフェインを減らしたいなら、普通のコーヒーをデカフェやカフェインレスコーヒーに置き換える方法が分かりやすいでしょう。
食品安全委員会では、デカフェやカフェインレスのコーヒーについて、カフェインを90%以上取り除いたものと説明しています。また、代表値としてデカフェコーヒー100mLあたり6mg、200mLで12mgという例を掲載しています。普通のコーヒーの代表値は100mLあたり60mgなので、カフェイン量を大きく抑えられることが分かります。
手作りなら、普段使っているティラミスレシピのコーヒー部分だけをデカフェに置き換えることもできます。コーヒーの香りや苦味を残しやすいため、「コーヒーを完全に抜くとティラミスらしさが物足りない」と感じる人にも向いています。
ただし、デカフェに変更しても表面のココアなどからカフェインを摂取する可能性があります。
また、「デカフェ」「カフェインレス」という言葉だけを見て完全なカフェインゼロだと考えないようにしましょう。
それでも、普通のコーヒーを使う場合と比べれば、カフェイン摂取量を抑えるための実用的な方法です。
夜にティラミスを食べたい人や、一日に何杯かコーヒーを飲む人にも取り入れやすい工夫といえるでしょう。
コーヒーを使わないティラミス風レシピという選択肢
カフェインをできるだけ控えたい場合、コーヒーそのものを使わないティラミス風デザートにする方法もあります。
たとえばスポンジに染み込ませる液体を、カフェインを含まない素材に置き換える方法です。味は本来のティラミスとは変わりますが、マスカルポーネ風のクリームとスポンジを重ねることで、ティラミスのような食感を楽しむことができます。
ただし、置き換える素材にも注意が必要です。
「コーヒーの代わりに紅茶」「コーヒーの代わりに抹茶」とすると、どちらもカフェインを含みます。食品安全委員会の代表値では、紅茶は100mLあたり30mg、せん茶は20mgです。
また、コーヒーを使わなくても、仕上げにココアやチョコレートを使用すれば、カカオ由来のカフェインが含まれる可能性があります。
そのため、「コーヒーなし」と「カフェインなし」は同じ意味ではありません。
カフェインをできるだけ避けることを目的にするなら、コーヒーだけでなく、紅茶、抹茶、ココア、チョコレートなども含めてレシピ全体を確認しましょう。
本場のティラミスとは違うデザートになりますが、目的に合わせて材料を工夫できるのが手作りのよさです。
市販品は原材料表示やメーカー情報を確認する
市販のティラミスでカフェインを控えたい場合、まず確認したいのがパッケージの原材料表示です。
「コーヒー」「コーヒーエキス」「ココアパウダー」「チョコレート」などが含まれていれば、カフェインを含む可能性があります。デカフェやカフェインレスを使った商品であれば、商品説明にその特徴が書かれていることもあります。
ただし、原材料表示だけでは具体的なカフェイン量まで分からない場合があります。
原材料は確認できても、コーヒー液を5mL使っているのか50mL使っているのかまでは通常判断できません。そのため、インターネット上で「このティラミスは○mg」と根拠なく断定されている情報には注意しましょう。
カフェイン量を厳密に知る必要がある場合は、メーカーの商品ページやFAQを確認し、情報がなければ問い合わせる方法があります。
また、市販商品は原材料や内容量がリニューアルされる場合があります。以前食べたことのある商品でも、現在のパッケージを確認することが大切です。
妊娠中や子ども向けの場合は、カフェインだけでなく洋酒の使用についても確認するとよいでしょう。
「ティラミスだから全部同じ」と考えず、一つの商品ごとに確認することが、安全に選ぶための基本です。
カフェインレスでも完全なゼロとは限らない
「カフェインレスならカフェインは入っていない」と思われがちですが、必ずしも完全なゼロを意味するわけではありません。
食品安全委員会は、デカフェやカフェインレスのコーヒーについて、コーヒーに含まれるカフェインを90%以上取り除いたものと紹介しています。掲載されている代表値では、普通のコーヒーが100mLあたり60mgなのに対し、デカフェコーヒーは100mLあたり6mgです。
Health Canadaでも、デカフェのドリップコーヒー237mLに平均3mg、デカフェのインスタントコーヒーでは237mLに5mgという例が紹介されています。商品や作り方によって数字が違うことも分かります。
つまり、カフェインレスは「カフェインを大幅に減らしたもの」と考えると分かりやすいでしょう。
さらに、ティラミスではコーヒーをデカフェにしても、表面に通常のココアを使えば、そこからカフェインを摂取する可能性があります。
日常的にカフェインを少し減らしたいのであれば、デカフェは便利な選択肢です。一方、医療上の理由などでカフェインを厳密に避ける必要がある場合は、「カフェインレス」という名称だけで判断せず、商品情報を確認したうえで医師などの指示を優先してください。
目的に応じて「減らしたい」のか「できる限り避けたい」のかを区別することが大切です。
カフェインが気になる人向けのティラミスの選び方まとめ
カフェインが気になるからといって、必ずティラミスそのものを諦めなければならないわけではありません。材料と食べる量を確認すれば、自分に合った選び方ができます。
まず、市販品なら原材料を確認します。普通のコーヒーを使っているのか、デカフェを使っているのか、ココアやチョコレートが含まれているのかを見てみましょう。
家庭で作るなら、普通のコーヒーをデカフェに置き換える方法が最も取り入れやすいでしょう。さらにカフェインを減らしたい場合は、コーヒーを使わないレシピも選択肢になります。
ただし、紅茶、抹茶、ココア、チョコレートなどにもカフェインが含まれる可能性があるため、「コーヒーなし」という表示だけで判断しないことがポイントです。
また、食べる時間も重要です。カフェインに敏感な人なら、夜遅くを避けたり、小さなサイズを選んだりする方法があります。コーヒーと一緒に食べる場合は、飲み物をデカフェやノンカフェインに変えるだけでも、一回のカフェイン摂取量を減らしやすくなります。
妊娠中や子どもの場合は、カフェインだけでなく洋酒の使用なども確認してください。
ティラミスのカフェイン量は商品やレシピごとに違います。そのため、「ティラミスは食べてよい・悪い」と二択で考えるより、材料、量、食べる時間、一日のカフェイン摂取量を合わせて判断するのが現実的です。
まとめ
ティラミスには、一般的にコーヒーやココアが使われるため、カフェインが含まれる可能性があります。
ただし、ティラミス一個または一切れのカフェイン量を「○mg」と一律に決めることはできません。使用するコーヒーの種類や量、ココアやチョコレートの量、完成したティラミスを何人で分けるかによって変わるからです。
食品安全委員会が紹介している代表値では、一般的なコーヒーは100mLあたり60mg、デカフェコーヒーは100mLあたり6mgのカフェインを含みます。
そのため、手作りティラミスなら、使用したコーヒー量から一人分のカフェインをおおまかに考えることができます。
カフェインが気になる人は、次のような点を意識するとよいでしょう。
- 使用しているコーヒーの種類と量を確認する
- ココアやチョコレートにもカフェインが含まれることを知っておく
- デカフェやカフェインレスコーヒーを利用する
- ティラミスだけでなく一日の飲み物や食品を合わせて考える
- 夜にカフェインの影響を受けやすい人は食べる時間を調整する
- 妊娠中や子どもは海外機関の目安や専門家の助言も参考にする
- 市販品は最新の原材料表示やメーカー情報を確認する
- 洋酒入りの商品はカフェインとは別にアルコールにも注意する
日本では、カフェインへの感受性に個人差が大きいことなどから、一律のADIは設定されていません。
そのため、「ティラミス一切れなら絶対に大丈夫」「カフェイン入りだから食べてはいけない」と単純に判断する必要はありません。
自分の体調や、その日に摂取したコーヒーやお茶なども考えながら、適量を楽しむことが大切です。
