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ティラミスにお酒・アルコールは入っている?使われる種類と子ども・妊娠中などの注意点

ティラミスにお酒・アルコールは入っている?使われる種類と子ども・妊娠中などの注意点

濃厚なマスカルポーネのクリームと、ほろ苦いコーヒー、ココアの香りがたまらないティラミス。

ところが、子どもと一緒に食べようとしたときや、妊娠中、車を運転する前などに、「そういえばティラミスってお酒が入っているの?」と気になったことはないでしょうか。

ティラミスにはマルサラ酒やラム酒、コーヒーリキュールなどを使うレシピがありますが、すべてのティラミスにアルコールが入っているわけではありません。お酒をまったく使わずに作るティラミスもあります。

一方で、市販品や飲食店のティラミスは見た目だけでは洋酒の有無を判断できないことがあります。また、「お菓子に入っているお酒ならアルコールは全部飛んでいる」と思われがちですが、作り方によってはアルコールが残る可能性があります。

この記事では、ティラミスにお酒が使われる理由、マルサラ酒・ラム酒・コーヒーリキュール・ブランデーなどの違い、アルコールが残る可能性、子どもや妊娠中などに気をつけたいポイントまで、分かりやすく解説します。

アルコールなしでおいしいティラミスを楽しむ方法も紹介するので、「ティラミスは食べたいけれど、お酒が気になる」という人はぜひ参考にしてください。

目次

ティラミスにお酒・アルコールは入っている?

ティラミスは必ずお酒が入っているわけではない

ティラミスというと、コーヒーのほろ苦さとマスカルポーネの濃厚なクリーム、そして少し大人っぽい香りを思い浮かべる人も多いでしょう。そのため、「ティラミスには必ずお酒が入っている」と思われがちですが、実際にはそうとは限りません。

ティラミスの基本的な構成は、マスカルポーネなどを使ったクリーム、コーヒーを染み込ませたビスケットやスポンジ、そして表面に振りかけるココアです。ここにマルサラ酒やコーヒーリキュールなどの洋酒を加えるレシピもありますが、お酒を使わなくてもティラミスとして楽しめます。

実際、森永製菓が公開しているティラミスのレシピでは、コーヒーリキュールは「あれば」とされており、必須材料にはなっていません。つまり、洋酒はティラミスのおいしさを広げる材料のひとつではあるものの、絶対に必要な材料ではないということです。

特に家庭で作るティラミスでは、子どもと一緒に食べるために洋酒を入れなかったり、コーヒーとココアの風味だけで仕上げたりするレシピも珍しくありません。

一方、レストランや洋菓子店、市販の商品では、風味付けとして洋酒を使っている場合があります。同じ「ティラミス」という名前でも、アルコールの有無や使用量は商品によって異なります。

そのため、「ティラミスだからアルコール入り」「ティラミスだからアルコールなし」と名前だけで判断するのではなく、気になる場合はレシピや商品表示を確認することが大切です。

本格的なティラミスでは洋酒を使うレシピもある

ティラミスには洋酒を使うレシピもあり、特にイタリアらしい香りや深みを出したい場合に取り入れられています。

代表的なのがマルサラ酒です。マルサラ酒はイタリア・シチリア島のマルサラ周辺で造られる酒精強化ワインで、甘みや熟成した香りを持つタイプがあります。マスカルポーネの濃厚な味とコーヒーの苦味に合わせると、香りに奥行きが生まれます。

NHKエデュケーショナル「みんなのきょうの料理」に掲載されている辻調理師専門学校のティラミスレシピでも、甘口のマルサラ酒が使用されています。このレシピでは白ワインとマルサラ酒を使ってクリームを作っており、マルサラ酒の代用品として白ワインとブランデーを組み合わせる方法も紹介されています。

ただし、「本格的なティラミスなら絶対にマルサラ酒を入れなければならない」という意味ではありません。ティラミスにはさまざまな作り方があり、家庭や店、料理人によって材料や配合は変わります。

また、日本ではラム酒やコーヒーリキュール、ブランデーなどを使ったティラミスもよく見られます。それぞれ香りの方向が違うため、同じティラミスでも味わいはかなり変わります。

洋酒を使う最大の目的は「酔うため」ではなく、香りやコクを加えてデザートとしての味をまとめることです。しかし、風味付けとして少量使われている場合でもアルコールが含まれる可能性はあるため、アルコールを避けたい人は注意しましょう。

お酒はクリームやコーヒー液に加えられることが多い

ティラミスに洋酒を使う場合、主に加えられる場所は「クリーム」と「コーヒー液」です。

ティラミスは、コーヒーを染み込ませたビスケットやスポンジと、マスカルポーネを使ったクリームを重ねて作ります。そのため、洋酒をどこに加えるかによって香りの感じ方も変わってきます。

コーヒー液にラム酒やコーヒーリキュールなどを混ぜる方法では、ビスケットやスポンジがその液体を吸い込みます。口に入れた瞬間にコーヒーと洋酒の香りが広がりやすく、大人っぽいティラミスに仕上がります。森永製菓のレシピでも、インスタントコーヒーで作ったシロップにコーヒーリキュールを加える方法が紹介されています。

一方、クリームにマルサラ酒などを加えるレシピもあります。クリーム全体に洋酒の香りが広がるため、マスカルポーネの乳脂肪のコクと酒の香りを一緒に楽しみやすくなります。

注意したいのは、ティラミスにはオーブンで長時間焼かない作り方が多いことです。洋酒を入れた後に十分な加熱工程がなければ、アルコールが残る可能性があります。

「コーヒー液に少し入れただけだから大丈夫」「クリームに混ぜただけだからアルコールは飛んでいる」と自己判断するのは避けた方がよいでしょう。

子どもや妊娠中の人などアルコールを避けたい人が食べる場合は、最初から洋酒を使わないティラミスにするのが分かりやすい方法です。

市販のティラミスは商品によってアルコールの有無が違う

スーパー、コンビニ、ケーキ店などで販売されているティラミスについても、すべて同じ材料で作られているわけではありません。

洋酒を使用した商品もあれば、アルコールを使わずに作られた商品もあります。また、同じメーカーでも商品がリニューアルされれば材料が変わる可能性があります。そのため、過去に食べたことがある商品だからといって、現在も同じ配合とは限りません。

アルコールを避けたい場合は、パッケージの原材料表示を確認しましょう。「洋酒」「ラム酒」「ブランデー」「ワイン」「リキュール」などの表記がある場合は、お酒が原材料として使用されていることが分かります。

消費者庁が公開している食品表示の資料でも、洋菓子の原材料表示例として「洋酒」が記載されています。加工食品では原材料名を確認することが、使用されている材料を知るための重要な手掛かりになります。

ただし、商品のアルコール含有量まで原材料欄だけで判断できるとは限りません。洋酒が使用されていることは分かっても、完成した商品にどの程度のアルコールが残っているのかは分からない場合があります。

また、国税庁によると、アルコールを含むチョコレートや飴などの菓子類は、一般的には酒税法上の「酒類」とは扱われません。つまり、「お酒として販売されていないお菓子だからアルコールは入っていない」とは限らないのです。

気になる場合はメーカーの商品説明や注意表示も確認すると安心です。

お酒なしでもティラミスはおいしく作れる

「お酒を入れないとティラミスらしい味にならないのでは?」と思うかもしれませんが、心配する必要はありません。

ティラミスのおいしさを作っているのは、洋酒だけではないからです。

濃厚なマスカルポーネのクリーミーさ、コーヒーの香りと苦味、ココアのほろ苦さ、ビスケットやスポンジのしっとりした食感。この組み合わせがティラミスの大きな魅力です。

洋酒を使わなくても、コーヒーを少し濃いめに作ると香りの輪郭がはっきりします。また、無糖ココアを仕上げに使えば、甘いクリームとのコントラストが生まれます。

さらに、バニラを少量加えたり、カフェインを避ける必要がなければエスプレッソや濃いコーヒーを使ったりすることで、洋酒なしでも満足感のある香りを作れます。

森永製菓のティラミスレシピでも、コーヒーリキュールは「あれば」とされているため、お酒を入れなくても作れる構成になっています。

子どもと一緒に食べる家庭では、最初から全量をノンアルコールで作ると、取り分ける際に迷いにくいでしょう。

大人向けだけ香りを変えたい場合は、完成後に大人用の部分だけ香りを調整する方法も考えられます。ただし、誰が食べるものか分からなくならないよう、容器を分けるなどの工夫が必要です。

お酒はティラミスを楽しむ方法のひとつであって、必須条件ではありません。

ティラミスに使われるお酒の種類は?定番の洋酒を紹介

マルサラ酒|本格的なティラミスで使われるイタリアの酒

ティラミスのお酒について調べると、よく登場するのが「マルサラ酒」です。

マルサラ酒はイタリア・シチリア島のマルサラを中心に造られる酒精強化ワインです。ワインに由来する香りに加えて、タイプによってはキャラメルやナッツ、ドライフルーツを思わせるような複雑な風味があります。

この香りが、マスカルポーネのまろやかなコクやコーヒーの苦味とよく合います。

NHKエデュケーショナル「みんなのきょうの料理」に掲載されている辻調理師専門学校のレシピでは、クリームに甘口のマルサラ酒75mlが使われています。このレシピではマルサラ酒について、シチリア特産のアルコール度数の高いワインと説明されています。

ただし、マルサラ酒にも甘口や辛口などさまざまなタイプがあります。ティラミスのようなデザートでは、甘みを持つものが使われることがありますが、レシピに指定がある場合はその指示に従うのが失敗しにくいでしょう。

注意したいのは、マルサラ酒は「香り付けだからアルコールを気にしなくてもよい」という材料ではないことです。ティラミスは洋酒を加えた後に長時間加熱しないレシピもあるため、アルコールを避ける必要がある人が食べる場合は使用しない方法が確実です。

本格的な雰囲気を楽しみたい大人向けのティラミスでは魅力的な選択肢ですが、食べる人に合わせて使い分けることが大切です。

コーヒーリキュール|コーヒーの香りとコクを強くできる

ティラミスと相性がよいお酒として、コーヒーリキュールも挙げられます。

コーヒーリキュールとは、コーヒーの香りや風味を生かしたリキュールです。商品によって甘さやアルコール度数、香りの強さは異なりますが、ティラミスではコーヒー液に加えて使う方法があります。

ティラミスにはもともとコーヒーが使われるため、コーヒーリキュールを加えても味の方向性が大きく変わりにくいのが特徴です。むしろ、コーヒーの香りに甘さや深みが加わり、濃厚なデザートらしい味になりやすくなります。

森永製菓の「マリーのティラミス」では、水、グラニュー糖、インスタントコーヒーで作るシロップに、コーヒーリキュールを小さじ4加えるレシピが掲載されています。ただし、コーヒーリキュールには「あれば」と記載されています。

この点からも、コーヒーリキュールはティラミスの風味を高める選択肢ではありますが、必須材料ではないことが分かります。

アルコールなしで似た方向の味にしたい場合は、コーヒー自体を少し濃くするとよいでしょう。甘みが欲しい場合は砂糖を調整できます。

なお、コーヒーリキュールを使わなくても、通常のコーヒーにはカフェインが含まれる場合があります。アルコールとカフェインは別の成分なので、両方を避けたい場合は材料をそれぞれ確認する必要があります。

ラム酒|甘く芳醇な香りを加えたいときに向いている

ラム酒も、洋菓子によく使われるお酒のひとつです。

ラム酒はサトウキビを原料とする蒸留酒で、種類によって香りは大きく異なります。比較的軽やかなものから、バニラやカラメル、熟成した木のような豊かな香りを持つものまであります。

ティラミスに使うと、コーヒーやココアのほろ苦さに甘く芳醇な香りを重ねることができます。特に濃厚なマスカルポーネクリームとの相性がよく、大人向けのデザートらしい印象になりやすいでしょう。

使い方としては、濃いコーヒーにラム酒を少量加え、その液体をビスケットやスポンジに染み込ませる方法が分かりやすいです。

ただし、ラム酒は香りがはっきりしているため、たくさん入れればおいしくなるとは限りません。使用量が増えると、コーヒーやチーズよりもラム酒の風味が前に出てしまう場合があります。レシピを参考にしながら少量から調整すると失敗しにくいでしょう。

また、ラム酒はアルコールを含むお酒です。ティラミスに加えて冷やすだけの作り方では、「冷蔵庫に入れておけばアルコールがなくなる」とは考えない方が安全です。

アルコールを避けたい人が食べるティラミスなら、ラム酒は加えず、コーヒーやココアの香りを生かす方法を選びましょう。

ブランデー|大人っぽく深みのある味わいに仕上がる

ブランデーも洋菓子でよく使われるお酒で、ティラミスのアレンジにも利用できます。

一般的なブランデーは果実を発酵させた酒を蒸留して造られ、熟成による芳醇な香りを楽しめるものがあります。ティラミスに使うと、コーヒーの苦味やココアの香ばしさに、奥行きのある香りを加えられます。

マスカルポーネのやさしい乳製品の味に対して、ブランデーの存在感は比較的強いため、少量でも印象が変わります。洋酒が香る濃厚なデザートが好きな人には相性のよい選択肢です。

NHKエデュケーショナルに掲載されている辻調理師専門学校のティラミスレシピでは、マルサラ酒75mlの代用として「白ワイン50mlとブランデー25ml」が紹介されています。

つまり、ティラミスの洋酒は必ず一種類だけに決まっているわけではなく、目指す香りによって選択肢があります。

一方で、ブランデーは蒸留酒なので、使用する商品によっては高いアルコール度数を持ちます。少量だから問題ないと一律には判断できません。

特にアルコールを避ける必要がある人が食べる場合には、「ブランデーを少なくする」のではなく、最初から使用しないレシピを選ぶ方が分かりやすいでしょう。

マルサラ酒がないときは別のお酒で代用できる?

ティラミスを作ろうと思ったものの、「近所のスーパーにマルサラ酒が売っていない」ということもあるでしょう。

マルサラ酒はワインやビールほど一般的な商品ではないため、店舗によっては取り扱いがありません。その場合、レシピによっては別の洋酒で代用できます。

一例として、NHKエデュケーショナルに掲載されている辻調理師専門学校のレシピでは、甘口のマルサラ酒75mlについて、白ワイン50mlとブランデー25mlで代用できるとされています。

ほかにも、作るレシピや好みによってコーヒーリキュールやラム酒などが使われることがあります。ただし、お酒を変えると味も変わります。

マルサラ酒の代わりにラム酒を入れた場合、ラム特有の甘く力強い香りが目立ちやすくなります。コーヒーリキュールなら、コーヒーの香りと甘さが強く感じられるでしょう。

そのため「まったく同じ味になる代用品」と考えるのではなく、「違う香りのティラミスになる」と考える方が分かりやすいです。

そして重要なのが、アルコールを避けたい場合には、別の酒に置き換える必要そのものがないという点です。

マルサラ酒がなければ、洋酒を省いてコーヒー液だけで仕上げることもできます。子どもや妊娠中の人などが食べる場合は、アルコール入りの代用品を探すより、最初からノンアルコールで作る方法を選びましょう。

ティラミスのアルコールはどのくらい残る?加熱すれば大丈夫?

ティラミスは加熱しない作り方も多くアルコールが残る可能性がある

「お菓子に入っているお酒なら、作る途中でアルコールは飛んでいるのでは?」と思う人もいるでしょう。

しかし、ティラミスについては特に注意が必要です。

ティラミスには、完成したクリームとコーヒーを染み込ませたビスケットを重ね、そのまま冷蔵庫で冷やして仕上げる作り方が多くあります。焼き菓子のように、完成後にオーブンで長時間加熱する工程がない場合もあります。

たとえば森永製菓のレシピでは、コーヒーリキュールはコーヒーを溶かした後のシロップに加え、そのシロップをビスケットに染み込ませています。その後はクリームと重ね、冷蔵庫で冷やして仕上げます。

このような作り方では、「作ったからアルコールがなくなっている」とは考えられません。

また、アルコールは時間がたてば必ずゼロになるわけでもありません。冷蔵庫で数時間冷やしたことだけを理由に、アルコールが完全になくなったと判断することも避けましょう。

アルコールの残り方は、加えたお酒の量や度数、加熱温度、加熱時間、料理の状態などによって変わります。

特にアルコールを避ける必要がある人が食べる場合、「少ししか入れていないから」「一晩冷やしたから」と推測するのではなく、最初から洋酒を使わない方法が最も分かりやすい選択です。

洋酒を入れる量とアルコール度数によって違いが出る

ティラミスに残るアルコールの量を考えるうえでは、「何のお酒を、どれだけ使ったか」が重要です。

お酒にはそれぞれアルコール度数があります。ワイン、リキュール、ラム酒、ブランデーなどでは度数が異なり、同じ大さじ1杯を使ったとしても含まれる純アルコールの量は同じではありません。

厚生労働省の「健康に配慮した飲酒に関するガイドライン」では、純アルコール量について、「摂取量ml × アルコール濃度 ÷ 100 × 0.8」で計算する方法が示されています。

たとえば、アルコール度数20%のお酒を10ml使用したと仮定すると、加える段階では約1.6gの純アルコールを含む計算になります。

ただし、これはあくまで使用した酒に含まれるアルコール量の計算です。完成したティラミスに実際にどれくらい残るかは、作り方によって変わるため、この計算だけでは決められません。

また、1台のティラミスを何人で分けるかによって、一人分に相当する量も変化します。

だからこそ、「ティラミスなら一切れ○gのアルコールが入っている」と一律に説明することはできません。

アルコールを避ける必要がある場合には、細かく残存量を推測して「この量なら大丈夫」と判断するより、アルコールを使用していない商品やレシピを選ぶ方が確実です。

「加熱したからアルコール0%」とは限らない

料理やお菓子作りでよく聞くのが、「アルコールは加熱すれば全部飛ぶ」という話です。

確かに、エタノールは加熱によって減少します。しかし、「一度火を入れれば瞬間的にすべてなくなる」という単純なものではありません。

食品に含まれるアルコールの残り方については研究が行われており、加熱時間や調理方法などによって残存量が変わることが報告されています。1992年に発表された研究では、さまざまな食品調理条件でアルコールがどの程度残るかが調べられました。また、2017年の研究でも、アルコールを含む液体食品の調理中にエタノール濃度がどのように変化するかが検討されています。

米国農務省も、食品調理後に残るアルコールなどを計算するための保持率データを公開しています。つまり、食品科学の観点でも「加熱した=必ずゼロ」と扱うものではありません。

ティラミスでは、そもそも洋酒を加えた後に十分な加熱をしない作り方もあります。

妊娠中や授乳期、運転前など、アルコールを確実に避けたい場面では、「少し火を通したから大丈夫」と判断しない方がよいでしょう。

アルコールを使わずに作るティラミスなら、この問題そのものを避けられます。

香りや味だけでアルコールの有無を判断するのは難しい

ティラミスをひと口食べて、「お酒の味がしないからアルコールは入っていない」と判断するのはおすすめできません。

洋酒の香りは、使用量や種類、ほかの材料との組み合わせによって感じ方が変わるからです。

ティラミスにはコーヒーやココアといった香りの強い材料が使われます。さらにマスカルポーネの乳脂肪のコクや砂糖の甘さもあります。そのため、少量の洋酒が使われていても、アルコール特有の刺激をほとんど感じない場合があります。

反対に、香料などによって洋酒のような香りを感じても、実際にどの程度のアルコールが含まれているかは味覚だけでは判断できません。

特に市販のティラミスの場合は、食べて確認するより先にパッケージをチェックする方が確実です。

原材料名に「洋酒」「ラム酒」「ブランデー」「リキュール」などがないか確認しましょう。消費者庁の食品表示資料でも、洋菓子の原材料表示例に「洋酒」が記載されています。

さらに、商品によってはパッケージの目立つ場所にアルコール使用について注意書きがある場合があります。メーカーの公式商品ページに詳しい説明が掲載されていることもあります。

アルコールを避ける必要があるときは、「お酒っぽくないから大丈夫」ではなく、表示やメーカー情報を基準に判断しましょう。

手作りティラミスでアルコール量が気になるときの考え方

自宅でティラミスを作る場合は、市販品よりも使用する材料を自分で管理できるという利点があります。

まず確認したいのは、誰が食べるのかということです。

大人だけで楽しむティラミスなら、好みに合わせてマルサラ酒やラム酒、コーヒーリキュールなどを使う方法があります。一方、子どもや妊娠中の人などアルコールを避ける必要がある人が食べる場合は、最初から洋酒を使わない方が分かりやすいでしょう。

「ほんの小さじ1杯だから大丈夫だろう」と感覚で考えるのではなく、アルコールを入れるか、入れないかを最初に決めておくことがポイントです。

大人用と子ども用を同時に作りたい場合は、コーヒー液を分ける前の段階までは共通にし、大人用だけ後から洋酒を加える方法もあります。その場合は、容器やスプーンを明確に分け、どちらがお酒入りなのか分からなくならないよう注意してください。

洋酒を使う場合には、ボトルに表示されているアルコール度数や使用量を確認しておくことも大切です。

ただし、完成品の正確な残存アルコール量は家庭では簡単に測定できません。

アルコールを確実に避けたい事情があるなら、残存量を推測するのではなく「最初から使わない」という方法が最もシンプルです。

お酒入りティラミスを食べるときの注意点

子どもが食べる場合はアルコール入りを避ける

子どもが食べるティラミスは、洋酒を使わないものを選ぶのが安心です。

ティラミスは見た目がお酒を連想させにくく、甘いクリームとココアのデザートなので、子ども自身がアルコール入りかどうか判断することは困難です。

消費者庁は、子どもによるアルコール飲料の誤飲について注意を呼びかけています。実際に、幼い子どもがアルコール飲料を口にし、急性アルコール中毒と診断された事故例も報告されています。

もちろん、アルコール飲料を飲むことと洋酒を使ったティラミスを食べることは同じではありません。しかし、子どもは大人より体格が小さく、アルコールを含む食品について「少量だから大丈夫」と一律に判断するのは避けるべきでしょう。

家庭で作る場合は、マルサラ酒、ラム酒、ブランデー、コーヒーリキュールなどを使わないレシピにすれば分かりやすくなります。

市販品の場合は原材料表示や注意書きを確認してください。「洋酒」「リキュール」などが記載されていたり、アルコールについて注意喚起があったりする商品は避けるのが安全です。

また、大人用のお酒入りティラミスと子ども用を同じ冷蔵庫に入れる場合は、容器を明確に分けておきましょう。

見た目だけでは区別できないため、間違って取り分けない工夫が重要です。

妊娠中はアルコールを含むティラミスにも注意する

妊娠中は、ティラミスに含まれるアルコールにも注意が必要です。

厚生労働省の情報では、妊娠中の飲酒は胎児に影響を及ぼす可能性があり、妊娠中はお酒をやめるよう案内されています。胎児性アルコール・スペクトラム障害についても、少量の飲酒でも、妊娠のどの時期でも影響を及ぼす可能性があるとして、予防のため妊娠中の飲酒を避けることが示されています。

2024年に厚生労働省が公表した「健康に配慮した飲酒に関するガイドライン」でも、妊娠中や授乳期の飲酒は避ける必要がある場合として挙げられています。

ここで注意したいのが、「ティラミスはお酒そのものではないから問題ない」と考えないことです。

洋酒を使ったティラミスでは、作り方によってアルコールが残る可能性があります。特に、洋酒を混ぜたコーヒー液をビスケットに染み込ませ、そのまま冷やして作るタイプでは、十分な加熱工程がありません。

妊娠中にティラミスを食べたい場合は、アルコールを使っていないものを選びましょう。

市販品で判断できない場合は、原材料表示やメーカーの商品説明を確認してください。外食の場合は、店員に洋酒を使用しているか確認すると安心です。

授乳中に食べる場合もお酒の有無を確認する

授乳中も、ティラミスに使われている洋酒を確認しておきたいところです。

厚生労働省が公表している「健康に配慮した飲酒に関するガイドライン」では、授乳期中の飲酒は避ける必要がある場合として示されています。過去の厚生労働省の飲酒に関する情報でも、授乳中はアルコールを避けるよう案内されています。

ティラミスの場合、「お酒を飲んでいるわけではないから関係ない」と思いやすいかもしれません。しかし、マルサラ酒やラム酒、リキュールなどを使い、その後十分に加熱していないティラミスではアルコールが残っている可能性があります。

そのため、授乳中にティラミスを楽しみたい場合は、ノンアルコールのものを選ぶと分かりやすいでしょう。

家庭で作るなら、洋酒を使わず、濃いコーヒーとココアで風味を整えます。アルコールだけでなくカフェインも気になる場合は、デカフェのコーヒーを使う方法もあります。

市販品では、原材料表示だけでなく商品の注意事項も確認しましょう。

なお、授乳とアルコールについて個別の事情がある場合や、すでにアルコールを含む食品を口にして心配な場合には、インターネット上の一般的な情報だけで判断せず、医師や助産師などの専門家に相談してください。

ティラミスは洋酒なしでも作れるので、「食べられない」と考えるのではなく、材料を選ぶことで楽しみ方を変えられます。

車を運転する前はアルコール入りティラミスを避ける

車を運転する予定がある場合は、アルコール入りのティラミスを避けるのが安全です。

警察庁は飲酒運転について、「飲酒運転を絶対にしない、させない」と呼びかけています。また、2026年7月21日施行の改正後の制度では、酒気帯び運転について呼気中アルコール濃度0.15mg/L以上という基準があり、それ未満であっても酒気を帯びて車両等を運転することは禁止されています。

重要なのは、「お菓子を食べただけなら必ず問題ない」と決めつけないことです。

アルコール入りの菓子は、酒税法上の「酒類」に該当しない場合があります。国税庁も、アルコールを含むチョコレートや飴などの菓子類は一般的に酒類には該当しないと説明しています。

しかし、「酒類として販売されていないこと」と「アルコールを含んでいないこと」は別の話です。

ティラミスにどれくらいの洋酒が使われているか、完成後にどの程度残っているかは商品やレシピによって異なります。また、アルコールの分解には個人差があります。

そのため、これから運転する予定がある場合は、アルコール量を自己判断して食べるのではなく、洋酒不使用であることを確認できるティラミスを選びましょう。

迷う商品は運転前には食べない、という判断が最もシンプルです。

お酒に弱い人・服薬中の人も原材料を確認して選ぶ

アルコールの影響には個人差があります。

厚生労働省の飲酒ガイドラインでは、アルコールの分解には体質が関係しており、分解酵素の働きが弱い人では少量の飲酒でも体調が悪くなることがあると説明されています。年齢や性別、体質などによっても影響は異なります。

そのため、お酒に弱い人は「デザートに入っている程度なら平気」と考えず、洋酒を使っているか確認することが大切です。

また、服薬中のアルコールにも注意が必要です。

厚生労働省の情報では、薬の治療中の飲酒について注意が示されており、2024年の飲酒ガイドラインでも、病気などの療養中の飲酒や服薬後の飲酒は避けるべき行動として挙げられています。

ただし、薬によってアルコールとの関係は異なります。「この薬ならティラミス一切れまでは大丈夫」といった判断は、一般的な記事ではできません。

服用している薬がある場合は、医師や薬剤師からアルコールを避けるよう言われていないか確認してください。不明な場合は、医師や薬剤師に相談するのが確実です。

市販のティラミスを買うときには原材料欄を確認し、洋酒使用が分からない場合はメーカーに問い合わせる方法もあります。

アルコールなしのティラミスを選ぶ・作る方法

洋酒を入れなくてもティラミスらしい味は作れる

アルコールを避ける必要があるからといって、ティラミスを諦める必要はありません。

ティラミスのおいしさの中心になるのは、コーヒー、マスカルポーネを使ったクリーム、ココア、そしてしっとりしたビスケットやスポンジの組み合わせです。

洋酒は香りやコクを加える役割を持っていますが、使わなくてもティラミスらしいバランスは十分に作れます。

ポイントは、コーヒーの味を薄くしすぎないことです。クリームには乳製品と砂糖の甘さがあるため、コーヒーが薄すぎると全体がぼんやりとした味になりやすくなります。少し濃いめに作ったコーヒーをビスケットに染み込ませると、クリームとのコントラストが生まれます。

仕上げの無糖ココアも重要です。ココアのほろ苦さが加わることで、甘さが引き締まり、洋酒なしでも大人っぽい味にできます。

実際、森永製菓のレシピでは、コーヒーリキュールは「あれば」とされており、必ず入れる材料ではありません。

アルコールを使わない場合は、レシピから単純に洋酒だけを抜けばよいものもあります。ただし、洋酒の量が多いレシピでは液体量が変わるため、コーヒーなどで調整する必要があります。

レシピ全体のバランスを確認しながら作りましょう。

コーヒーとココアを生かして香りと苦味を補う

お酒なしのティラミスをおいしくするコツは、洋酒の代わりに別の強い香りを無理に加えることではありません。

もともとティラミスに使われているコーヒーとココアを上手に生かすだけでも、十分に満足感のある味になります。

まずコーヒーは、普段飲むものより少し濃いめに作るとティラミスに向いています。クリームと一緒に食べると味が薄まるため、単体では少し苦いと感じる程度でも全体ではバランスが取れることがあります。

NHKエデュケーショナルのレシピ一覧でも、簡単ティラミスについて「コーヒーはインスタントで濃いめに入れるのがポイント」と紹介されています。

次に重要なのがココアです。

砂糖入りの調整ココアではなく、レシピで指定されている無糖タイプのココアを使うと、クリームの甘さとのメリハリが生まれます。

さらに、完成してすぐ食べるのではなく、レシピに沿って冷蔵庫で休ませると、コーヒーを吸ったビスケットとクリームがなじみます。

アルコールなしでも、「濃いコーヒー」「クリーミーなチーズ」「ほろ苦いココア」という三つの要素がそろえば、ティラミスらしい奥行きのある味を作れます。

子ども用の場合は、コーヒーのカフェインについても考慮し、必要に応じてデカフェなどを選択するとよいでしょう。

市販品は原材料表示やメーカー情報を確認する

アルコールなしの市販ティラミスを選びたいときは、まず商品の原材料表示を確認します。

原材料名に「洋酒」「ラム酒」「ブランデー」「リキュール」「ワイン」などが記載されていないか見てみましょう。

消費者庁が公開している消費者向け食品表示資料では、洋菓子の原材料表示例の中に「洋酒」が記載されています。このように、加工食品の原材料欄は使用材料を確認するための重要な情報源です。

ただし、原材料を見るときは商品名だけで判断しないことも大切です。

「大人のティラミス」のような商品名でも必ずアルコールが入っているとは限りませんし、反対に普通の「ティラミス」という名前でも洋酒を使用している場合があります。

また、メーカーによっては原材料表示とは別に「洋酒を使用しています」などの注意書きを掲載していることがあります。

公式サイトの商品ページに、アルコールについて詳しい案内がある場合もあります。

特に妊娠中、授乳期、運転前、子どもが食べる場合など、アルコールを避ける必要性が高いときには、表示だけで分からなければメーカーに問い合わせるのもひとつの方法です。

さらに、商品はリニューアルによって原材料が変更される場合があります。

以前買ったときの情報をそのまま信じず、購入するたびに手元の商品表示を確認する習慣をつけておくと安心です。

「洋酒使用」と書かれたティラミスを選ぶときのポイント

市販のティラミスを見ていると、「洋酒使用」といった表示を見かけることがあります。

こうした商品を大人が楽しむ場合でも、まず確認したいのは「誰が食べるのか」です。

大人だけで食べ、運転予定もなく、アルコールを避けるよう医師などから指示されていない場合は、自分の体質なども考えながら選ぶことになります。

一方、子ども、妊娠中や授乳期の人、運転を予定している人などが一緒に食べる場合には、アルコールを使用していない商品を選ぶ方が分かりやすいでしょう。

また、「洋酒使用」という言葉だけでは、使われている酒の種類や完成品の残存アルコール量まで分からない場合があります。

原材料名を見ると「ラム酒」「リキュール」など具体的な材料が分かる場合もありますが、正確なアルコール含有量について情報が必要なら、メーカーの公式情報を確認してください。

注意したいのは、アルコール入り菓子が必ず「お酒」として売られているわけではないことです。

国税庁は、アルコールを含有するチョコレートや飴などの菓子類について、一般的には酒税法上の「酒類」に該当しないと説明しています。

したがって、「酒売り場の商品ではないからアルコールゼロ」と判断することはできません。

最終的には商品そのものの表示を確認することが重要です。

ティラミスのお酒・アルコールに関するよくある疑問

最後に、ティラミスのお酒についてよくある疑問を整理します。

「ティラミスには必ずアルコールが入っていますか?」という疑問への答えは「いいえ」です。洋酒を使うレシピもありますが、使わないレシピもあります。森永製菓のティラミスレシピでもコーヒーリキュールは任意となっています。

「本格的なティラミスでは何のお酒を使いますか?」については、マルサラ酒を使うレシピがよく知られています。NHKエデュケーショナルに掲載された辻調理師専門学校のレシピでも甘口のマルサラ酒が使用されています。

「ラム酒やブランデーでも作れますか?」については、レシピによって可能です。ただし、酒を変えると香りや味わいも変化します。

「加熱すればアルコールは全部なくなりますか?」については、必ずゼロになるとは言えません。食品中のアルコール残存量は、調理方法や時間などによって変わることが研究されています。

「市販品はどう見分けますか?」という場合は、原材料表示や注意書き、メーカー公式情報を確認しましょう。

そして、子ども、妊娠中や授乳期の人、運転予定がある人など、アルコールを避けたい場合には、残存量を自己判断するより、最初から洋酒不使用のティラミスを選ぶことが分かりやすい方法です。

まとめ

ティラミスには、必ずお酒やアルコールが入っているわけではありません。

マスカルポーネを使ったクリーム、コーヒーを染み込ませたビスケットやスポンジ、ココアという組み合わせがティラミスの基本で、洋酒は香りやコクを加えるために使われる材料のひとつです。

洋酒を使うレシピでは、マルサラ酒、コーヒーリキュール、ラム酒、ブランデーなどが選ばれることがあります。特にマルサラ酒はイタリアらしいティラミスを作るレシピで登場することがあります。

ただし、使うお酒や量はレシピによって異なります。

また、ティラミスは洋酒を加えた後に十分な加熱をしない作り方も多いため、「お菓子だからアルコールは飛んでいる」「少し加熱したからアルコールはゼロ」と決めつけることはできません。

アルコールを避ける必要がある場合は、洋酒不使用のティラミスを選ぶのが最も分かりやすい方法です。

特に子ども、妊娠中や授乳期の人、運転を予定している人、服薬中でアルコールを避ける必要がある人などは、原材料や商品情報をしっかり確認しましょう。

市販のティラミスでは、「洋酒」「ラム酒」「ブランデー」「リキュール」などが原材料に含まれていないか確認することがポイントです。分からない場合はメーカーや店舗に問い合わせる方法もあります。

一方、アルコールなしでも、濃いコーヒー、マスカルポーネのクリーム、無糖ココアを上手に組み合わせれば、おいしいティラミスを作れます。

お酒はティラミスのおいしさを広げる選択肢ではありますが、必須材料ではありません。

食べる人や場面に合わせて、安心して楽しめるティラミスを選びましょう。

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