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せんべい汁とは 発祥と由来 普通のせんべい使える?(青森県八戸の郷土料理)

せんべい汁青森県八戸の郷土料理

せんべい汁とは、青森県八戸市を中心に伝わる伝統的な郷土料理です。その発祥は江戸時代後期に遡り、飢饉や凶作の影響で、主食として小麦を使った「南部せんべい」が誕生したことが由来です。せんべい汁の魅力は、鶏肉や野菜、魚介など多彩な具材を煮込んだスープに「おつゆせんべい」を加える独特の作り方にあります。

せんべい汁は地元の名物として知られていますが、今では通販でせんべい汁専用のせんべいを購入でき、東京でも食べられるお店が増えています。

本記事では、せんべい汁の歴史や具材、作り方に加え、東京で楽しめるお店についても詳しく紹介します。

目次

青森のせんべい汁とは

せんべい汁の発祥と由来

せんべい汁は、青森県八戸市周辺で生まれた伝統的な郷土料理です。その起源は江戸時代後期に遡り、飢饉や凶作によって米が手に入りにくくなった地域で、主食として麦やそばが広まったことから始まります。当時、米の代わりに小麦やそばを主食とする文化が発展し、その中で「南部せんべい」が誕生しました。このせんべいは、保存食としてだけでなく、汁物に入れて煮込むという独特の食べ方が生まれ、これがせんべい汁のルーツです。

さらに、南部せんべいを使った汁物が定着した理由には、寒冷な気候による冷害が頻発していた背景もあります。稲作が難しい土地柄で、せんべいは保存がきき、汁に入れても形が崩れにくいという利点がありました。特に、南部地方の家庭で作られるこの料理は、各家庭でそれぞれの材料や出汁を用いたバリエーションが多く存在しています。

平成になってからは「八戸せんべい汁研究所」が設立され、地域おこしの一環としてせんべい汁のPRが進められました。B級グルメとして注目を集め、現在では全国的にも知られる郷土料理となっています。

どんな時に食べる?

せんべい汁は、寒い時期に体を温める料理として古くから親しまれてきました。特に、冬場の家庭料理として夕食やお祝いごとの際に食べられることが多く、地域によってはお正月やお盆の集まりでも振る舞われることがあります。また、収穫の終わった秋の季節に、季節の野菜やキノコをふんだんに使ったせんべい汁が作られることも一般的です。

一方で、最近では観光地やイベントなどでもせんべい汁が提供される機会が増えています。特に、地元の祭りや地域振興イベント、B-1グランプリのようなご当地グルメイベントでは、多くの観光客がせんべい汁を楽しんでいます。飲食店でも通年で提供されており、寒い時期に限らず、さまざまなバリエーションで食べることができるのが特徴です。

家庭では、簡単に調理できることから忙しい日の夕食や夜食としても人気があります。また、具材を自由にアレンジできるため、家庭ごとに異なる味わいが楽しめるのもせんべい汁の魅力の一つです。

せんべい汁の基本の材料とレシピ

基本的な具材

せんべい汁の具材は非常に多様で、季節や地域によって異なりますが、基本的には鶏肉や豚肉、魚介類、野菜などを使います。鶏もも肉や鶏むね肉がよく用いられ、だしの風味を引き立てるために、出汁をとる際にごぼうやにんじん、しいたけなどのキノコ類が加わります。また、糸こんにゃくや凍み豆腐などの食感が異なる食材もよく使われ、せんべい汁に独特の風味と食感を与えます。

特に八戸周辺では、サバやタラなどの魚を使った魚介系のせんべい汁も人気です。魚のうま味が溶け込んだスープは、さっぱりしながらもコクがあります。また、馬肉を使った味噌ベースのせんべい汁もあり、これは特に冬の寒い時期に人気の高いバリエーションです。野菜やキノコ類は季節に応じて変わるため、旬の味覚を楽しめるのもせんべい汁の魅力です。

せんべい8枚
ねぎ1と1/2本
鶏むね肉200g
鶏もも肉200g
糸こんにゃく160g
板麩10g
ごぼう1/2本
凍み豆腐1枚
人参 中1/2本
【調味料A】醤油80ml
【調味料A】酒40ml
【調味料A】白味噌20g
【調味料A】塩少々

引用:せんべい汁 青森県 | うちの郷土料理:農林水産省

作り方

せんべい汁の作り方はシンプルで、家庭でも手軽に作れます。まず、だしをとることが重要です。鶏ガラや煮干しなどからしっかりとだしを引き、ベースとなるスープを作ります。スープができたら、ごぼうやにんじん、キノコ類などの野菜を加え、柔らかくなるまで煮込みます。

次に、鶏肉や豚肉を加え、肉に火が通るまで煮込みます。ここで、味付けとして醤油やみりん、酒を加え、スープに深みを出します。最後に「おつゆせんべい」を食べやすいサイズに割り、スープに加えて2〜3分ほど煮込みます。せんべいは煮込み過ぎると溶けてしまうため、煮込み時間を調整することが大切です。煮込み具合によってせんべいの食感が変わるため、好みに合わせて調整できます。

最後に長ねぎを加えてさっと火を通せば完成です。具材や調味料は家庭ごとにアレンジされることが多いので、さまざまなバリエーションが楽しめます。

以下のサイト先のせんべい汁レシピも参考になります。

せんべい汁に普通のせんべいを使ってもいい?

せんべい汁に普通のせんべいを使うのはおすすめできません。

普通のせんべいは、主にお米を原料にして焼き上げられており、スープに入れるとすぐに溶けてしまうからです。特に、醤油や砂糖で味付けされたせんべいは、せんべい汁の風味に合わないだけでなく、スープの中で形を保つことが難しく、食感も損なわれてしまいます。

せんべい汁には「おつゆせんべい」と呼ばれる、汁物専用に作られた煮崩れしにくい南部せんべいが使われます。このせんべいは小麦粉と塩で作られ、煮込んでもモチモチとした食感を保つため、せんべい汁に最適です。

おつゆせんべいが手に入らない場合は、代替としてすいとんやうどんを使うことも可能です。しかし、せんべい汁本来の風味や食感を楽しむためには、専用のせんべいを使うことが最も適しています。

せんべい汁専用せんべいが購入できる販売店

せんべい汁専用のせんべいは、ネット通販で購入できます。

せんべい汁が食べられるお店(東京編)

東京でもせんべい汁を楽しめるお店はいくつかあります。郷土料理としてのせんべい汁は、青森や岩手などの東北地方に根付いていますが、近年ではその人気が全国に広まり、東京の飲食店でも提供されています。ここでは、東京でせんべい汁が食べられるお店を紹介します。

これらのお店で、ぜひ東京でも本場のせんべい汁を味わってみてください。それぞれの店で微妙に異なる味付けや具材が楽しめるため、食べ比べてみるのもおすすめです。

みちのく(銀座)

まず一つ目のお店は、「みちのく」です。このお店は銀座にあり、八戸を中心とした青森の郷土料理を味わえるお店です。せんべい汁はもちろんのこと、他にも青森産の食材を使った料理が楽しめるため、八戸の風味を東京でも堪能することができます。アクセスも良好で、ランチタイムにもせんべい汁を提供しているため、忙しい人にもおすすめです。

住所〒104-0061 東京都中央区銀座二丁目2番地先 銀座インズ2-2階
営業日月曜日〜金曜日
定休日日曜日・祝日
公式サイトhttps://www.michinoku-ginza.jp/
※詳細は公式サイトでご確認ください

北の台所 おんじき(八王子)

次に、「北の台所 おんじき」は八王子駅から徒歩数分の場所にあるお店です。こちらも青森や東北の郷土料理を中心に提供しており、せんべい汁を含む多彩なメニューが揃っています。特に、夜のディナータイムに訪れると、落ち着いた雰囲気の中で温かいせんべい汁を楽しめるのが魅力です。

住所東京都八王子市三崎町4−7 田倉ビル1F
営業日月曜日~土曜日、祝日
定休日日曜日
公式サイトhttps://www.onjiki.jp/
※詳細は公式サイトでご確認ください

炭火焼 ごっつり(北千住)

「炭火焼 ごっつり」は、足立区北千住にある居酒屋スタイルのお店で、地元の名物料理を多数提供しています。こちらでは、炭火焼き料理と一緒にせんべい汁を味わうことができ、ボリューム感のあるメニューが特徴です。せんべい汁が初めての方でも、気軽に楽しめるお店です。

住所東京都足立区千住2−31
営業日火曜日~日曜日、祝日、祝前日
定休日月曜日
公式サイトhttp://www.gottsuri.net/
※詳細は公式サイトでご確認ください

炉端座八戸(笹塚)

また、渋谷区笹塚にある「炉端座八戸 笹塚店」も、八戸名物を味わえるお店として人気です。こちらでは、八戸ならではの郷土料理を堪能できるほか、せんべい汁も自慢の一品として提供されています。アクセスの良さから、仕事帰りや週末に訪れる人も多く、せんべい汁をじっくり味わうことができます。

住所東京都渋谷区笹塚3-18-8 10号坂商店街
営業日月曜日、水曜日〜日曜日
定休日火曜日
公式サイトhttps://www.instagram.com/robata_za_hachinohe/
※詳細は公式サイトでご確認ください
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