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なぜ日本のモンブランケーキは黄色い?東京・自由が丘「モンブラン」から始まる独自の進化

なぜ日本のモンブランケーキは黄色い?東京・自由が丘「モンブラン」から始まる独自の進化

モンブランって、なぜか懐かしい気持ちになりませんか。ショーケースで山みたいな形を見つけた瞬間、秋でも冬でも、ちょっとだけ心がほどける。しかも日本のモンブランは、海外と違って黄色いものが多い。これ、実は偶然じゃありません。東京・自由が丘の老舗「モンブラン」から始まったと言われる、日本独自の工夫が詰まっているからです。

この記事では、黄色の理由を「材料と作り方」からほどきつつ、自由が丘の原点と、昭和から令和までの進化の流れ、さらにタイプ別の食べ方までまとめていきます。読み終わるころには、次にモンブランを選ぶのが楽しくなるはずです。

目次

黄色の正体は「栗」じゃなくて「作り方」だった

海外のモンブランが茶色っぽい理由(マロングラッセ由来)

海外のモンブランを思い浮かべると、全体が茶色っぽくて、ねっとり濃い見た目のものが多いです。これは「栗をどう甘くして、どうペーストにするか」の違いが大きいと言われます。フランスやイタリアでは、栗を砂糖のシロップで長い時間煮含めて作るマロングラッセの考え方がベースになりやすく、そのペーストはカラメル色に寄ります。さらに渋皮ごとつぶすような作り方や、バニラなどの香りづけを強める店もあり、色も味も“濃い方向”にそろっていきます。結果として、見た目は茶色、味はずっしり、後味まで栗が続くタイプが王道になりました。日本の黄色いタイプと比べると、同じ栗の菓子でも「甘さの作り方が違う」と感じやすいはずです。モンブラン自体、栗クリームを上から絞る菓子として古くからレシピがあり、地域によって呼び名もいろいろあります。だからこそ、色の違いは“本場・偽物”ではなく、文化の違いとして見るのがいちばん楽しいところです。

日本の黄色は「栗の甘露煮ペースト」から生まれた

日本のモンブランが黄色い理由をひと言でいうと、「栗の甘露煮からペーストを作ったから」です。自由が丘の老舗「モンブラン」自身も、当時貴重で高価だった栗を、正月などでなじみのあった栗の甘露煮として使い、その甘露煮から作るマロンクリームで山肌を表現した、と説明しています。だからあの明るい黄色は、着色料で派手にしたからというより、材料と製法の選択が生んだ色、というのが一番わかりやすい答えです。
もう少し噛みくだくと、甘露煮は「栗を明るい色のまま甘くする」方向に寄りやすいので、ペーストも黄色寄りになります。反対に、マロングラッセは「じっくり煮含めて深い甘さを入れる」方向に寄りやすく、ペーストも茶色寄りになりがちです。同じ栗でも、どんな甘さを目指したかで、見た目がここまで変わります。日本人が昔から慣れていた甘露煮の味に寄せたことで、“ケーキなのにどこか和菓子に近い安心感”が生まれ、黄色いモンブランが広く受け入れられた、と考えると納得がいきます。

和栗・洋栗で色味や香りがどう変わる?

栗には大きく分けて、和栗と洋栗があります。ざっくり言うと、和栗は香りが繊細で、ほくほくした甘さが出やすい一方、洋栗は力強い香りとコクが出やすい、と語られることが多いです。実際に、和栗の魅力は繊細さにあり、油脂分を増やしすぎたり強い香りを足しすぎたりすると、風味が負けてしまうという指摘もあります。
色味の面でも、原料の栗や加工の仕方で差が出ます。和栗ペーストは、作り方によっては黄みがやさしく出て、見た目も軽やかになります。洋栗は、もともと色がやや濃く出たり、加工の工程で茶色寄りになったりしやすく、濃厚系のモンブランと相性が良いと言われます。ただし、ここは「和栗だから必ず黄色」「洋栗だから必ず茶色」と決めつけるのは危険です。収穫時期、品種、砂糖の種類、裏ごしの細かさ、加熱の強さで、同じ産地でも色は変わります。食べ比べるときは、色よりも、香りの立ち方や口どけ、食べ終わった後の余韻に注目すると、自分の好みが見つかりやすいです。

クリームの中身で色はここまで動く(バター/カスタード/生クリーム)

モンブランは「栗クリーム」と一言で片づけられがちですが、実際は配合で表情がガラッと変わります。たとえばバターが多いと、色は少し白っぽくなりやすく、口どけはなめらかでコクが強くなります。逆に生クリーム中心だと、ふわっと軽く、香りが立ちやすい一方で、栗の輪郭がぼやけることもあります。さらにカスタードを合わせるタイプは、黄色っぽさが増えやすく、どこかプリンやシュークリームに近い親しみが出ます。
自由が丘「モンブラン」の“山の形”の定番は、土台や中のクリーム、上の飾りが重なって完成します。食育系の記事でも、土台をカステラ寄りにし、くり抜いたところにカスタードや生クリームを入れる、という説明が見られます。
つまり、黄色の話は栗だけの話ではありません。栗のペーストの色に、乳製品や卵の色が重なることで、黄色はさらに強まったり、逆に淡くなったりします。ショーケースで見た目に迷ったら、「この店はコク重視か、香り重視か」を想像して選ぶと、当たりやすいです。

最近“黄色くない”日本のモンブランが増えたワケ

最近の日本では、黄色いモンブランだけでなく、茶色い濃厚タイプ、白っぽい軽いタイプ、さらには紫や緑などのアレンジまで増えています。理由は単純で、栗の選択肢と技術の幅が広がったからです。和栗の産地や品種にこだわった店は、香りを前に出すために砂糖や乳脂肪を控えめにし、結果として色が淡くなることがあります。逆に、ヨーロッパ的な濃厚さを目指す店は、マロングラッセの方向のペーストを使い、茶色に寄るのが自然です。
さらに、絞り方や提供スタイルの人気も影響しています。目の前で絞る“絞りたて”は、香りが立つ代わりに、クリームの水分や空気の含ませ方で色が見え方まで変わります。写真映えを意識して、白いクリームの層を厚くしたり、粉糖の雪化粧を強めたりする店もあります。結局のところ、日本のモンブランは「黄色が正解」から、「黄色も正解、茶色も正解」へ広がった状態です。好きな方向に寄せて進化できるのが、今の面白さだと思います。


東京・自由が丘「モンブラン」が“黄色い元祖”と呼ばれる理由

1933年創業、戦後に自由が丘で再スタートした老舗の歩み

自由が丘の「モンブラン」は、公式の年表で1933年に目黒区三谷町で開店し、戦時中の1945年にいったん閉店、同年10月に自由が丘で再開した流れを示しています。
ここは、よく“最初から自由が丘だった”と語られることもありますが、資料の扱いには揺れがあるため、断定しすぎないのが安全です。実際、開店年や場所については諸説があることがまとまった記事もあります。
それでも、戦後の自由が丘で店を構え、街と一緒に育ってきたという事実は大きいです。自由が丘は、東横線沿線の住宅地として発展し、喫茶文化や洋菓子店が根づきやすい土壌がありました。店内に喫茶スペースがある“ケーキ屋兼カフェ”の形は、モンブランという菓子を「特別な日に買うもの」から「ふだんのごほうび」に近づけます。黄色いモンブランが広がるためには、味だけでなく、そうやって日常の中に置ける場が必要だった。老舗の強さは、そこにあります。

初代店主・迫田千万億(さこた ちまお)とモンブラン誕生秘話(と伝わる話)

黄色いモンブランの話をすると必ず出てくるのが、創業者の迫田千万億(さこた ちまお)さんです。自由が丘モンブランの公式説明では、迫田さんがフランスのシャモニーで名峰モンブランを見て感銘を受け、店名にしたいと考え、許可を得たうえで帰国し、看板商品づくりに挑んだ、とされています。
このエピソードは、メディアでも“日本でなじみのある黄色いモンブランを作り上げた”話として語られています。
ただし、こうした誕生秘話は、当事者の回想や店の伝承が中心になることが多く、細部は断定しにくい部分もあります。だから本記事では「そう伝わっている」「そう説明されている」という言い方にとどめます。そのうえで大事なのは、迫田さんが“日本の材料で、日本の持ち帰り文化に合う形”へ作り替えた点です。海外の皿盛りデザートを、そのまま輸入するのではなく、ケーキとして完成させる。ここに日本のモンブラン独自の進化の出発点があります。

山を食べるデザイン:雪(メレンゲ)と岩肌(細いクリーム線)

モンブランの面白さは、味だけでなく「山を食べる」デザインにあります。モンブランという名前自体がアルプスの山に由来し、栗クリームを絞って山の形にするのが基本の型です。
自由が丘モンブランの説明では、栗の甘露煮から作ったマロンクリームで山肌を表し、最後にメレンゲで万年雪を表現した、とされています。 さらに、和菓子の道具「小田巻」を使って糸状に絞る工夫が語られている資料もあります。
この“細い線”があるだけで、食感が変わります。フォークで切ったときにほどける感じが出て、口に入れると空気が混ざって香りが立ちやすい。見た目の繊細さが、そのまま食べ心地につながっています。上の白い部分も、ただの飾りではなく、栗の甘さを受け止めてくれるクッションの役割をします。モンブランが「甘いのに重すぎない」と感じるとき、その裏には“雪と岩肌のバランス”がある。そんなふうに見て食べると、一口ごとに納得が増えていきます。

日本人好みに寄せた工夫:ふんわり土台とやさしい甘さ

日本のモンブランが広がった理由は、黄色い栗クリームだけではありません。土台の作り方にも、かなり日本的な工夫が入っています。自由が丘モンブランは、土台を「スポンジ」ではなく「カステラ」と表現し、しっとりふんわりの食感に苦労した、と公式に説明しています。
ここがポイントで、昭和の日本では、軽くてやさしい甘さの菓子が“喫茶の定番”になりやすい。ふわっとした土台は、紅茶でもコーヒーでも受け止められるし、子どもから大人まで食べやすい。加えて、甘露煮ベースの栗クリームは、栗きんとんのような“和の甘さの記憶”につながります。
つまり、モンブランは洋菓子なのに、どこか和菓子の親戚みたいな安心感がある。そのちょうど良さが、日本の家庭の「ケーキを買う」場面にハマりました。誕生日や手土産、家族の週末。特別すぎないのに、ちゃんと気分が上がる。黄色いモンブランは、その立ち位置を掴んだのが強かったのだと思います。

「黄色いモンブラン」が全国に広がっていった流れ

自由が丘モンブランの公式説明には、当時“ケーキとしてのモンブラン”をあえて商標登録しなかった、という話が出てきます。広く洋菓子業界が発展することを願い、修行に来た職人にも作り方を教えた結果、全国にモンブランが並ぶようになった、という流れです。
この話が事実だとしても、仮に一部が美談として整理されたものだとしても、結論は変わりません。昭和の洋菓子は“店の中で技術が巡る”ことで広がりました。レシピ本や動画がない時代、師匠の手元を見て覚えるのが基本です。東京で定番になったケーキが、地方の町にも伝わり、少しずつその店の味に変わっていく。モンブランは、そういう広がり方に向いたケーキでした。なぜなら、材料が「栗・砂糖・乳製品」という比較的手に入りやすい組み合わせで、絞り方さえ習得すれば“その店の顔”にできるからです。黄色いモンブランは、技術と文化の両方で、広がる条件がそろっていました。


“日本式モンブラン”進化のざっくり年表(昭和→令和)

戦後の喫茶店文化がモンブランを定番化した

戦後の日本で、洋菓子が一気に身近になった背景には喫茶店文化があります。ケーキは“持ち帰り”だけでなく、“店でコーヒーと一緒に食べる”体験として広がりました。自由が丘モンブランのように喫茶スペースを持つ店は、モンブランを「買って帰るケーキ」から「目の前でゆっくり食べるケーキ」へ変えます。観光情報でも、喫茶スペースの存在が特徴として紹介されています。
喫茶店でモンブランが強い理由は、分かりやすさです。ショートケーキほど“軽すぎず”、チョコケーキほど“重すぎない”。栗の香りは上品で、大人っぽいのに子どもも食べられる。さらに、季節感があるのも強い。秋に栗が目立つのはもちろん、冬でも「山の雪」のイメージで違和感がありません。こうして、モンブランは“いつ食べてもいい定番”として席を得ました。店側も、季節限定にせず通年置けるので、看板商品にしやすい。戦後の街のリズムに、モンブランはうまく噛み合ったのだと思います。

昭和の王道:黄色クリーム×ふんわり生地の黄金コンビ

昭和の日本で“モンブランといえばこれ”と言われる型は、黄色い栗クリームを細く絞り、上に白いクリームやメレンゲが乗ったスタイルです。自由が丘モンブランの説明でも、栗の甘露煮由来の黄色いマロンクリームと、山頂の雪を表すメレンゲが語られています。
この型が王道になったのは、味の設計が上手いからです。黄色い栗クリームは“甘さの芯”で、ふんわり土台は“軽さ”を担当します。白い部分は“香りの抜け道”で、口の中の栗の甘さを一度リセットしてくれる。三つの役割が重なると、最後まで飽きにくい。
そして、見た目にも強い。山の形はショーケースで一発で伝わり、名前の意味も覚えやすい。特に昭和の時代は、家族でケーキを買うこと自体がイベントでした。子どもがショーケースの前で迷う時間も含めて“体験”だった。黄色いモンブランは、その体験の中で選ばれやすい見た目をしていました。

80年代以降:欧風の濃厚タイプが注目され、食べ比べ時代へ

1980年代以降、日本のモンブランはもう一段階、選択肢が増えます。よく語られる象徴が、パリの老舗アンジェリーナの日本上陸です。アンジェリーナの日本公式サイトでも、日本では1984年に銀座にオープンしたことが触れられています。
アンジェリーナ系のモンブランは、マロンペーストの濃さや香りづけがはっきりしていて、日本の黄色いタイプとは別ベクトルの魅力があります。雑誌系の記事でも、パリ本店と同じマロンペーストを使うこだわりが紹介されています。
こうした“欧風の濃厚さ”が入ってきたことで、モンブランは「これが正解」というケーキではなく、「あなたはどっち派?」と語れるケーキになりました。喫茶店で黄色いモンブラン、デパ地下で濃厚マロン、ホテルで上品なアレンジ。場所によって“モンブランの顔”が変わり、食べ比べの楽しさが生まれます。ここから、モンブランは一気に多様化していきます。

2000年代:絞りたて・専門店ブームで“ライブ感”が武器に

2000年代以降のモンブランを語るときに欠かせないのが、“絞りたて”のライブ感です。目の前で栗クリームを絞ると、香りが立つだけでなく、見ている側のテンションも上がります。ケーキが「食べ物」から「イベント」に近づく瞬間です。
この流れは、技術が増えたこととも関係しています。昔は洋菓子道具が揃いにくく、和菓子の道具で絞る工夫が語られることもあります。 それが今では、細い口金、温度管理、裏ごし機器など、表現の幅がぐっと増えました。
結果として、モンブランは“店の個性を見せやすいケーキ”になりました。線を極細にするのか、太めにして食感を出すのか。中にアイスを忍ばせるのか、メレンゲを主役にするのか。ライブ感は、味の違いを直感的に伝えてくれます。写真文化が広がったことも追い風でした。見た目の気持ちよさが、そのまま拡散につながる。モンブランは現代の空気にも合っていました。

近年:和栗・産地・糖度にこだわるクラフト化が加速

近年のモンブランは、ワインやコーヒーに近い“クラフト化”が進んでいます。つまり、「栗なら何でもいい」ではなく、「どこの栗で、どう作ったか」が価値になります。和栗は繊細で、油脂分や強い香りに負けやすいという話があり、だからこそ作り手の設計が味に直結します。
産地にこだわる店は、甘さを控えて香りを前に出したり、裏ごしを荒めにして繊維感を残したりします。逆に、濃厚路線の店は、渋皮のニュアンスやバニラの香りで“海外っぽさ”を出します。どちらが上というより、狙いが違うだけです。
このクラフト化が進むと、色も多様化します。和栗の淡い黄、洋栗の深い茶、クリームの白。ショーケースはカラーパレットみたいになり、選ぶ側は悩ましくも楽しい。モンブランは、昔の定番でありながら、今も伸びしろがある珍しいケーキになっています。


黄色・茶色・白…タイプ別「失敗しない」食べ方ガイド

黄色タイプ(甘露煮系)を一番おいしく感じる食べ方

黄色タイプは、甘露煮由来のやさしい甘さが魅力です。だから食べ方のコツは、「甘さを立てる」というより「甘さをきれいに流す」ことにあります。まず、冷やしすぎない。冷蔵庫から出してすぐは油脂が固く、香りが閉じがちです。室温で少し落ち着かせると、栗の香りがふわっと出やすくなります。
次に、最初の一口は“上だけ”を食べない。モンブランは層のケーキです。栗クリーム、白い部分、土台を一緒にすくって食べると、甘さの角が取れてバランスが出ます。自由が丘モンブランの定番は、山肌のクリームと、雪をイメージした部分がセットで完成する設計です。
飲み物は、苦めのコーヒーも合いますが、意外に相性が良いのがストレートの紅茶です。渋みが甘さを切り、香りが栗と重なって“秋っぽさ”が増します。黄色タイプは、上品にまとまりやすいので、食後のデザートにも向きます。量が多く見えても、最後まで気持ちよく食べられるのが強みです。

茶色タイプ(マロングラッセ系)は“濃厚さ”の扱いがカギ

茶色タイプの魅力は、栗の濃厚さと香りの強さです。その分、食べ方で印象が大きく変わります。コツは、最初から飛ばさないこと。ひと口目を大きく取りすぎると、甘さと香りが一気に来て、途中で重く感じることがあります。まずは小さめに、香りを確かめながら食べると、最後まで楽しみやすいです。
アンジェリーナのようにマロンペーストのこだわりが強いタイプは、栗の存在感が中心にあります。 こういうモンブランは、飲み物選びも重要です。深煎りコーヒーで“苦み対甘み”の形にしてもいいし、ミルクティーで“まろやか同士”に寄せてもいい。迷ったら、無糖の温かい飲み物が安定です。
もうひとつのコツは、温度です。冷たいままだと濃厚さが固まり、味の変化が出にくいことがあります。少し温度が上がると、香りが開いて、同じ甘さでも“重い”から“豊か”に変わります。茶色タイプは、焦らずゆっくり食べるほど得をするケーキです。

白いモンブランって何者?(メレンゲ強め・クリーム強め)

白いモンブランは、「栗が少ないのでは?」と思われがちですが、実際はタイプの違いです。白さの正体は、メレンゲや生クリームの比率が高いこと、粉糖の雪化粧が強いこと、栗クリームが淡い色に設計されていること、などが重なった結果です。モンブランはもともと“山の雪”のイメージが核にあるので、白を主役にしても不思議ではありません。
白系の魅力は、軽さと食感です。メレンゲが主役だと、サクッと割れて、口の中でふわっと消えます。そのあとに栗が追いかけてくる設計だと、濃厚な栗クリームのタイプとは別の満足感になります。生クリーム主役なら、ミルキーさが出て、栗を“香り”として楽しむ感じになります。
食べ方のおすすめは、温度差を作ること。冷たい部分と少し温度が上がった部分で、クリームの香りが変わりやすいからです。食べ比べのときは、白系を最初に食べると、舌がリセットされて、その後の濃厚タイプがよりはっきり感じられます。白いモンブランは、控えめに見えて実は“玄人向け”の楽しさがあります。

「和栗モンブラン」の見分けポイント(香り・繊維感・余韻)

和栗モンブランを見分けるとき、ラベルの「和栗」の文字だけで判断するのはもったいないです。味のポイントは、香り、繊維感、余韻の三つで見ると分かりやすいです。
まず香り。和栗は繊細で、強い香りを足しすぎると負けるという話があり、上手い和栗モンブランほど香りが“近い”です。 鼻にドンと来るというより、口に入れたあとにふわっと広がる。次に繊維感。裏ごしが細かすぎると均一になりすぎて、栗らしさが消えることがあります。少しだけ粒や繊維が残っていると、「栗を食べてる」感が出ます。
最後に余韻。和栗が魅力的なとき、食べ終わった後に“甘さ”より“香ばしさ”が残ります。ここは好みが分かれますが、余韻が短く消えるタイプは、もう一口を呼びやすい。逆に余韻が長いタイプは、一切れで満足しやすい。どちらが良いではなく、気分で選べるのが和栗の面白さです。ショーケースでは色よりも、店の説明文や香りの方向性をヒントにすると当たりやすいです。

飲み物ペアリング:紅茶/コーヒー/ほうじ茶、合うのはどれ?

モンブランは甘いので、飲み物選びで満足度が変わります。ざっくり言うと、紅茶は香りを伸ばし、コーヒーは甘さを切り、ほうじ茶は香ばしさを足します。
黄色タイプ(甘露煮系)は、紅茶の渋みと相性がいいです。甘さがやさしいので、香りが重なると上品にまとまります。茶色タイプ(濃厚系)は、コーヒーが合わせやすい。苦みが“引き算”になって、濃厚さが“重い”から“贅沢”に変わります。白系は、ほうじ茶が意外と合います。ミルキーさに香ばしさが乗ると、和のデザートみたいに落ち着きます。
分かりやすいように、目安を表にしておきます。

モンブランのタイプ合わせやすい飲み物ねらい
黄色(甘露煮系)ストレート紅茶甘さをきれいに流す
茶色(濃厚系)ブラックコーヒー苦みで輪郭を出す
白系(軽め)ほうじ茶香ばしさで深みを足す
和栗(繊細)うすめのコーヒー、温かいお茶香りを邪魔しない

迷ったら「温かい・無糖」に寄せると失敗しにくいです。冷たい甘い飲み物は、甘さが重なってモンブランの良さが見えにくくなることがあります。自分の“甘さの許容量”に合わせて選ぶと、同じケーキでも印象が変わって楽しいです。


自由が丘で“原点の黄色”を楽しむ、ゆるっと散歩プラン

お店で頼むときのコツ(持ち帰り・混雑・ベストな時間帯の考え方)

自由が丘モンブランを狙うなら、まずは公式情報の確認が安心です。営業時間や定休日は変わることがあるので、行く前にチェックしておくのが確実です。公式の案内では、火曜日が定休日で不定休もあり、営業時間も明記されています(掲載時点では仮店舗場所の記載もあります)。
“ベストな時間帯”は断定しにくいですが、考え方はシンプルです。出来立てに近い状態で選びたいなら、開店直後から昼前が狙い目です。選択肢が多く、ケーキの状態も整っています。逆に、喫茶でゆっくりしたいなら、ピークの前後をずらすのがコツです。土日祝は人が増えやすいので、平日を選べるなら平日の方が落ち着きやすい。
持ち帰りの場合は、移動時間を先に決めてから買うのがおすすめです。モンブランは形が繊細で、揺れに弱い。長時間持ち歩くなら、保冷や箱の扱いを丁寧に。店員さんに「何分くらい持ち歩く予定です」と伝えると、現実的なアドバイスをもらいやすいです。予定を先に立てるだけで、“家に着いたら山が崩れてた”事故はかなり減ります。

周辺はスイーツ密集地:寄り道の組み立て方

自由が丘は、散歩がそのままスイーツ巡りになる街です。だからこそ、寄り道は「甘い→甘い→甘い」にしない方が、最後まで楽しく回れます。おすすめの組み立ては、甘いものの間に“塩気”か“散歩”を挟むことです。例えば、モンブランを食べた後に、少し歩いて雑貨を見たり、公園で休んだりすると、舌と頭がリセットされます。
もうひとつのコツは、テーマを決めること。「今日は栗」「今日は焼き菓子」「今日は喫茶」みたいに軸を一本にすると、選ぶストレスが減ります。自由が丘モンブランは栗菓子の種類も多いと紹介されることがあり、栗テーマの起点に向いています。
食べ歩きにするなら、食べる量も戦略です。フルサイズを何個も食べるより、カフェで一皿、持ち帰りで家用を一つ、という分け方が満足度が高い。自由が丘は“選択肢が多いこと”が魅力なので、全部を一日で詰め込まず、また来る理由を残しておくくらいがちょうどいいです。

おみやげにするなら:崩れにくい持ち方&食べ頃

モンブランは、見た目がきれいなほど繊細です。おみやげにするなら、持ち方だけでなく“食べ頃”もセットで考えると失敗しにくいです。
持ち方の基本は、水平を保つこと。手でぶら下げるより、リュックの底に入れて安定させる方が揺れが少ないです。電車移動なら、座れない可能性も考えて、混雑時間を避けるのも立派なテクニックです。保冷材は多いほど安心ですが、冷やしすぎると香りが閉じることがあります。家に着いたら、すぐに冷蔵庫へ入れつつ、食べる前に少しだけ温度を戻す。この一手間で、栗の香りが出やすくなります。
食べ頃は、当日が一番わかりやすいです。クリームの水分と土台の状態が良く、絞りの線も美しい。ただ、翌日でも楽しめることは多いので、焦らなくても大丈夫です。大切なのは、買ったときの状態をなるべくキープすること。崩れやすいケーキほど、家での満足度が「持ち方」に左右されます。おみやげで喜ばれたいなら、味の前に、まず山を守りましょう。

写真を撮るならここ:きれいに撮れて、周りにもやさしい撮り方

モンブランはフォトジェニックですが、写真の撮り方で周りの空気も変わります。きれいに撮れて、周りにもやさしいコツは三つだけです。
一つ目は、席に着いたら先に構図を決めること。皿が来てから迷うと、撮影が長引きます。二つ目は、光を探すこと。窓際の自然光が強いなら、ケーキの正面からではなく、斜め横から光を当てると、絞りの線が立体的に出ます。三つ目は、撮影は短く。数枚撮ったら、すぐ食べる。クリームは時間が経つほど形が変わり、何より“おいしさのピーク”が逃げます。
また、店内での撮影ルールは店ごとに違うので、雰囲気で判断せず、注意書きや店員さんの案内を優先するのが安全です。自由が丘モンブランは店内空間やデザインへのこだわりも語られているので、写真に夢中になりすぎず、その場の空気も味わうのが一番贅沢だと思います。
モンブランは、撮ってよし、食べてよし。でも主役はあくまで味です。撮影は“前菜”くらいの気持ちでちょうどいいです。

次に試したい“進化系”の探し方(百貨店催事・季節限定のチェック術)

原点の黄色を食べたら、次は進化系も気になります。探し方のコツは、「場」と「季節」を押さえることです。
まず場。進化系は、専門店だけでなく百貨店の催事や期間限定ショップで出会いやすいです。普段は地方の店が都内に来るので、産地違いの和栗モンブランを一気に比較できます。次に季節。栗が主役になるのは秋ですが、実は冬から春にかけて“濃厚系”が増えることがあります。寒い時期はクリームの重さが心地よく感じやすいからです。
チェック術としては、店名より「栗の説明」を見るのが早いです。産地、品種、裏ごしの粒度、砂糖の種類など、具体が多いほど、作り手の狙いがはっきりしています。和栗は繊細なので、香りをどう守るかが設計の腕の見せどころ、という考え方も参考になります。
そして最後は、自分の“好きの軸”を言語化すること。「香りが好き」「甘さ控えめが好き」「メレンゲの食感が好き」。軸が決まると、次の一個が選びやすくなります。モンブランは種類が増えた分、迷う楽しさが増えました。迷子になりそうなときは、原点の黄色に戻ればいい。それが自由が丘という街の強みでもあります。


まとめ

日本のモンブランが黄色いのは、栗そのものの色というより、栗の甘露煮からペーストを作るという“日本らしい作り方”が広がったからです。
そして、その物語の中心にいるのが自由が丘の老舗「モンブラン」。名峰に感銘を受けたという伝承、甘露煮を選んだ理由、山肌と雪を表すデザイン、ふんわり土台へのこだわり。こうした工夫が、黄色いモンブランを「ただのケーキ」ではなく「日本の定番」に育てました。
今では茶色い濃厚タイプや、白い軽やかタイプ、和栗のクラフト系まで選択肢が広がり、モンブランは“好みで語れるスイーツ”になっています。
だからこそおすすめは、原点の黄色を一度きちんと味わってから、進化系を食べ比べること。そうすると「黄色い理由」が知識ではなく、体験として腑に落ちます。

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