ガトーショコラって、材料が少ないぶん「簡単そう」に見えますよね。でも実際は、材料の選び方ひとつで、しっとりにも、ねっとりにも、軽めにも寄せられる奥深いお菓子です。この記事では、キーワードの通り「ガトーショコラ 材料」を中心に、板チョコとクーベルチュールの違い、卵サイズの落とし穴、純ココアの選び方、代用のコツまで、家で失敗しにくい形でまとめました。読み終わるころには、「今日はこの材料で、この味にする!」と自分で決められるようになります。
まず揃えるべき基本の材料リスト
チョコレート:板チョコとクーベルチュールの違い
ガトーショコラの主役は、言い切っていいくらい「チョコ」です。家で作るなら、まずは板チョコでも十分おいしくできます。板チョコは手に入りやすくて価格も安定。味も「いつもの味」なので、失敗したときの原因が材料ではなく作り方だと判断しやすいのもメリットです。
一方で、もっと“専門店っぽい口どけ”を狙うならクーベルチュールが強い味方。一般に製菓用として、カカオ分やカカオバター量などに一定の基準がある、と説明されることが多いです。カカオバターが多いと体温でスッと溶けやすく、香りの立ち方もきれいになります。結果として、同じレシピでも「舌触りがなめらか」「余韻が長い」方向に寄りやすい。もちろん板チョコでも作れますが、もし材料でグッと差を出したいなら、まずチョコのグレードを上げるのが一番わかりやすいです。
バター:無塩?有塩?仕上がりに出る差
バターは、香りとコクを支える“土台”です。基本は無塩バターが安心。理由はシンプルで、「塩気の強さ」がメーカーや商品で変わり、毎回同じ味にしづらいから。無塩なら、塩を入れる・入れないを自分で調整できて再現性が上がります。
ただ、有塩がダメというわけでもありません。家に有塩しかないなら「塩を追加しない」「最後に味を見て粉糖を増やして整える」などで十分リカバーできます。塩が少し入ると甘さが引き締まって、チョコの香りが前に出ることもあります。逆に、塩が強いと“チョコの高級感”より“スイーツというよりおやつ感”に寄ることがあるので、上品にしたいときほど無塩が向いています。
もうひとつ大事なのは温度。溶かしバターを作るときに熱くしすぎると、卵と合わせる時に生地がガタつきやすいです。バターは「溶けたけど熱すぎない」状態(触って“あったかい”くらい)にしておくと、混ぜる工程がぐっと楽になります。
卵:サイズ(M/L)で変わる生地のゆるさ
卵は「ふくらみ」「しっとり感」「口どけ」に全部関わります。ここで意外と落とし穴なのがサイズ。日本の鶏卵は重さで規格があり、たとえばMは58〜64g(殻込み)、Lは64〜70g(殻込み)といった幅があります。
さらに、お菓子作りの目安として「殻を除いた重さ」はMで約50g、Lで約60gと説明されることが多いです。
つまり、レシピが“卵2個”とだけ書いてあっても、M2個とL2個では中身が約20gも違うことがありえます。20gって大さじ1強くらいの差。これだけで生地のゆるさや焼き上がりのしっとり感が変わるので、「なんかいつもよりゆるい」「今日は固い」が起きます。対策は簡単で、慣れてきたら卵を割って混ぜ、必要量だけ計量して使うこと。そこまでしなくても、少なくとも「いつもMで作ってる」「今回はLだった」だけ意識すれば、焼き時間の調整がしやすくなります。
砂糖:上白糖・グラニュー糖・粉糖の使い分け
砂糖は甘さだけじゃなく、しっとり感やキメにも関係します。上白糖は少ししっとり寄りで、家庭の定番。ガトーショコラを“やわらかめ・しっとり”にしたいなら相性が良いです。グラニュー糖はサラッとしていて、焼き上がりがやや軽く、甘さがスッと引きやすい。チョコの香りをクッキリ見せたいときに向きます。
粉糖は、主に仕上げの飾りで使うことが多いですが、生地に少量入れると溶けやすく、口当たりがきれいになりやすいです。とはいえ、初めてなら「生地は上白糖 or グラニュー糖」「仕上げは粉糖」でOK。こだわりたい場合は、生地の砂糖を半分ずつ(上白糖+グラニュー糖)にすると、しっとりとキレのバランスが取りやすいです。
そして忘れがちなのが“砂糖が溶けるタイミング”。卵に砂糖を入れて泡立てるレシピなら、砂糖は早めに入れると溶けやすい。逆に最後に入れるとザラつきの原因になるので、混ぜる順番も材料の一部だと思っておくと失敗が減ります。
粉類:薄力粉とココアの黄金バランス
粉類は「薄力粉」と「ココアパウダー」が基本。薄力粉が多いほどケーキっぽくふわっとし、少ないほどチョコの密度が上がって“ねっとり寄り”になります。ココアは香りの補強役。チョコだけでも作れますが、ココアを少し入れると「焼いたチョコの香り」が立ちやすくなります。
よくある失敗は、粉を入れすぎてパサつくこと。ガトーショコラはスポンジケーキほど粉に頼らないお菓子なので、粉は“骨組み”程度で十分です。混ぜ方も大切で、粉を入れたあとは混ぜすぎないのがコツ。混ぜすぎると生地が固くなりやすく、焼き上がりも重く感じます。
目安としては「薄力粉+ココアを合わせて少なめ」を意識して、まずはレシピ通りに。そこから“もっと濃厚にしたい”なら、粉を減らすより先に「チョコのカカオ%を上げる」「ココアを純ココアにする」など、香り側を動かすほうが満足度が上がりやすいです。
味が決まる!材料選びのコツ(ここが一番おいしさに直結)
カカオ%で変わる甘さと苦さの目安
同じ“ブラックチョコ”でも、カカオ%で世界が変わります。ざっくり目安として、40〜50%は甘みがあり食べやすい、60〜70%は苦味が増えて「ダークらしさ」が出る、80〜90%はかなり濃厚で砂糖が少なめ、という説明がよくされています。
ガトーショコラに当てはめるなら、初心者はまず50〜70%が作りやすいです。40%台だと甘さが前に出やすく、狙いによっては「チョコケーキ」寄りに感じます。80%以上は香りが強くて大人っぽい反面、砂糖や乳の助けが減るので、同じレシピだと“苦い・硬い”と感じる人も出やすい。もし80%以上を使うなら、砂糖を少し増やす、仕上げに粉糖を多めに、ホイップやアイスを添える、など“食べ方”込みで設計すると満足しやすいです。
迷ったら、普段食べて「おいしい」と思うカカオ%に寄せるのが正解。材料選びって結局、あなたの好みに合わせたほうが勝ちです。
純ココアと調整ココアは別モノ
ココアパウダーにも種類があります。お菓子作りで基本になるのは「純ココア(無糖ココア)」です。純ココアはカカオ由来の粉で、砂糖やミルク成分が入っていないタイプ、と説明されます。
一方で「調整ココア(ミルクココア)」は、砂糖や粉乳などが加わって“お湯に溶かして飲みやすい”方向に作られたもの。
ここで大事なのは、レシピが「ココア」と書いてあるとき、ほぼ純ココア前提だということ。調整ココアで代用すると、砂糖やミルク成分が勝手に追加されるので、生地が甘くなりすぎたり、粉の量が増えた扱いになって固くなったりします。味も“チョコの苦味”より“ココア飲料っぽさ”が出やすいです。
もし家に調整ココアしかない場合は、「入れる量を減らす」「砂糖を少し引く」などで調整できますが、最初の1回は純ココアを用意するのが近道。材料の時点でズレを作らないのが、結局いちばん失敗しません。
バターの香りを立てるなら発酵バター?
“香りで勝ちたい”なら、発酵バターという選択肢があります。発酵バターはミルクの香りが華やかで、焼いたときに「バターのいい匂い」が立ちやすいタイプ。ガトーショコラはチョコが主役なので、バターが強すぎるとチョコの香りを押しのけることもありますが、カカオ%が高めのチョコを使うなら発酵バターの香りが負けにくく、相性が良いことが多いです。
逆に、優しい甘さで子どもも食べるような仕上げなら、普通の無塩バターで十分。ここは好みでOKです。コツは「最初から全部を高級にしない」こと。チョコを良いものにしたなら、バターは普通でも違いが出ます。逆も同じ。お財布と相談しつつ、どこに“ごほうび”を置くか決めると、満足度の高い材料選びになります。
香りをさらに整えたいなら、仕上げの粉糖やバニラ、塩のひとつまみのほうがコスパが良い場合もあります。材料の優先順位をつけると、無理なくおいしくできます。
砂糖を減らすと「甘さ」より先に変わること
「甘さ控えめにしたいから砂糖を減らす」は、気持ちはわかるのですが、ガトーショコラでは注意ポイントです。砂糖は甘さだけではなく、しっとり感や口どけ、焼き色、日持ちにも関わります。砂糖を減らすと、まず起きやすいのは“パサつき”と“固さ”。甘さが減る前に食感が変わってしまい、「なんか物足りない」になりがちです。
どうしても甘さを落としたいなら、減らす順番を工夫します。おすすめは、まずチョコのカカオ%を少し上げて“甘さを感じにくく”する方法。それでも足りなければ、砂糖を1〜2割だけ減らす。いきなり半分にすると別物になります。甘さを控えたい人ほど、仕上げの食べ方も大事で、粉糖を控えめにする、甘いトッピングを避ける、少し冷やして甘さを締める、などで十分満足できることが多いです。
材料の数字をいじる前に、まず“食べ方で調整”を試すと、失敗が少なくておすすめです。
卵の温度(冷たい/常温)で失敗が起きる理由
卵は、冷蔵庫から出したてだと冷たいですよね。これが失敗の引き金になることがあります。理由は温度差。溶かしたチョコ+バターのボウルに冷たい卵が入ると、油脂が急に冷えて固まり、混ざりが悪くなることがあります。見た目が“つぶつぶ”“もろもろ”になり、焼き上がりもザラついたり、分離っぽい口当たりになったりしやすいです。
対策はシンプルで、卵はできれば常温に戻すこと。時間がないときは、殻のままボウルにぬるま湯(熱湯はNG)を張って数分温めると、扱いやすくなります。チョコ側も、溶かしたあとに熱々のまま進めず、「触れる温度」まで少し落ち着かせるとさらに安全。
“常温に戻す”は地味だけど効きます。材料の温度は、レシピに書かれていないことも多いのに、結果にはめちゃくちゃ出るので、ぜひ意識してみてください。
あると便利&あると安定する“プラス材料”
生クリーム:コクと口どけを底上げする
生クリームは、入れなくても作れます。でも入れると、口どけとコクがぐっと安定します。チョコとバターだけだと、冷えたときに少し“固い脂の感じ”が出ることがありますが、生クリームが入ると乳の水分と脂肪が間をつないでくれて、食感がなめらかにまとまりやすいです。
特に、板チョコで作るときにおすすめ。板チョコは製菓用より甘さや配合が固定なので、仕上がりが「いつものチョコ味」に寄りやすい。そこに生クリームを少し足すと、香りが丸くなって“手作りの濃厚感”が出ます。
入れ方のコツは、温度差を作らないこと。冷たい生クリームをドバッと入れると、チョコが固まりやすいので、少し常温に寄せるか、チョコ側の温度を落ち着かせてから少しずつ混ぜます。量はレシピによりけりですが、まずは少量で十分効果が出ます。材料を増やしすぎずに、完成度を上げたい人にぴったりです。
洋酒(ラム・ブランデー):香りの足し算ルール
洋酒は“入れた瞬間に大人っぽくなる”便利アイテムです。ラムは甘い香りでチョコと相性が良く、ブランデーは華やかで余韻が伸びます。ただし入れすぎると、チョコの香りより酒が勝ってしまうので、「隠し味」くらいがちょうどいいです。
目安は生地全体に対して小さじ1〜大さじ1くらい(レシピや好みで幅あり)。初心者はまず小さじ1から。焼くとアルコール分は飛びやすいですが、香りは残ります。子どもが食べるなら無理に入れなくてOK。代わりにバニラや塩で香りを整えると、安心しておいしくできます。
入れるタイミングは、チョコとバターを混ぜたベースに加えると香りが散りにくいです。最後に入れると混ぜムラが出やすいので注意。洋酒は“少量で効く”材料なので、まずは控えめに試して、自分の好みのラインを見つけるのが一番です。
塩:甘さを引き立てる「ひとつまみ」の効果
塩って、甘いお菓子に入れる意味あるの?と思われがちですが、あります。ほんの少しの塩は、甘さを強くするというより「味の輪郭」を出してくれます。チョコの苦味・甘み・香りがぼやけず、キュッと前に出る感じ。入れすぎると当然しょっぱくなるので、本当に“ひとつまみ”で十分です。
有塩バターを使う場合は、追加の塩は基本なしでOK。無塩バターなら、ひとつまみ入れてみる価値ありです。特に、カカオ%が高いチョコを使うときは、塩が香りをまとめてくれることが多いです。
塩は溶け残ると困るので、粒の大きい岩塩より、普通の食塩が無難。味を派手に変える材料ではないのに、完成度は上がる。こういう“地味に効く材料”を持っておくと、ガトーショコラ作りが安定してきます。
バニラ:香りを丸くする名脇役
バニラは主役じゃないけど、入ると一気に“お菓子屋さん感”が出ます。チョコの香りは強いので、バニラを入れても負けることは少なく、むしろ角が取れて食べやすくなることが多いです。バニラオイル、バニラエッセンス、バニラビーンズ…種類はいろいろありますが、まずはエッセンスで十分。
ポイントは入れすぎないこと。香りは強いので、数滴〜少量でOK。入れるなら、卵を混ぜたあたりで加えると全体に広がりやすいです。チョコが強い日ほど、バニラが“まとめ役”になります。
もしバニラが苦手なら、入れなくても大丈夫。その場合は、生クリームや粉糖、塩のひとつまみで香りの角を整えると、近い方向に持っていけます。材料は足し算もできるけど、引き算も正解。自分の好きな香りに寄せるのが一番おいしいです。
くるみ・アーモンド:食感で「専門店感」を出す
ガトーショコラは、全体がしっとりしているぶん、食感のアクセントがあると飽きにくいです。くるみは香ばしく、アーモンドは上品。刻んで混ぜ込むだけで、“濃厚だけど食べ続けられる”仕上がりになります。
おすすめはローストしてから入れること。軽く乾煎りするだけで香りが立ち、チョコの香りに負けません。量は入れすぎると生地が切れやすくなるので、まずは控えめに。食感が欲しいなら、生地に混ぜるより表面に散らす方法もあります。見た目も良くなって、プレゼントにも向きます。
ナッツが苦手な人がいるなら、混ぜ込まずに別添えもあり。アイスやホイップと一緒に出して、ナッツはトッピングで選べるようにすると、食べる人の好みに合わせられます。材料の工夫は、作る人のやさしさにもつながります。
家にあるもので代用できる?置き換え早見ガイド
バター→植物油:できるけど別のお菓子に近づく
バターがないとき、植物油で代用できるケースはあります。ただし、同じ“脂”でも性格が違うので、仕上がりは変わります。バターは香りが強く、冷えると固まりやすい。一方、植物油は香りが弱く、冷えても固まりにくい。だから油にすると、香りは軽くなり、食感はしっとり“ふわっ”とした方向になりやすいです。
ガトーショコラらしい“濃厚さ”を狙うなら、油だけの代用はやや不利。やるなら、チョコをカカオ%高めにする、純ココアを少し増やす、仕上げに粉糖やホイップを添える、などで補います。また油は混ざりやすいので作業は楽になりますが、焼き上がりの香りはバターに負けやすいです。
どうしてもバター風味が欲しいなら、油+少量のバター(家に残っている分)という折衷案もあり。材料が足りない日でも、狙いを変えて“別のおいしさ”に着地させるのがコツです。
薄力粉→米粉:しっとり系に寄せるコツ
グルテンを作らない米粉は、薄力粉とは食感が変わります。米粉で作ると、ふわっとより“もっちり・しっとり”に寄りやすいです。ガトーショコラと相性は悪くありません。ただ、米粉は水分の感じ方が違うので、同量置き換えだと固く感じる場合があります。
コツは、米粉は少し控えめから試すこと。さらに、混ぜすぎないことも重要です。米粉はグルテンがない分、混ぜすぎによる固さは薄力粉より出にくい一方、粉のダマが残ると口当たりに出やすい。ふるってから入れる、粉を入れたらゴムベラで底から返す、を丁寧にやると仕上がりが安定します。
米粉は種類もいろいろなので、まずは“お菓子用”と書かれたものが安心。小麦を避けたい人にも喜ばれるので、覚えておくとレパートリーが増えます。
砂糖→はちみつ:水分が増えるので注意
はちみつは香りが良く、甘みも強いので魅力的な代用候補。でも、砂糖より水分が多いので、同じ感覚で置き換えると生地がゆるくなりやすいです。結果として、焼き時間が伸びたり、中心が生っぽく感じたりすることがあります。
置き換えるなら、全部ではなく一部だけが安全。たとえば砂糖の一部をはちみつにして香りを足す、という使い方です。入れるタイミングは、卵と混ぜる段階が混ざりやすい。チョコベースに直接入れると、温度差や混ざりムラが出ることがあるので注意します。
はちみつは焼き色が付きやすいので、表面が濃くなりすぎるときは途中でアルミホイルをかぶせるなどで調整できます。代用は“味の冒険”なので、最初は少なめに。成功したら、次に少しずつ増やして自分の黄金比を探すのが楽しいです。
チョコ→ココア+油脂:風味は近いがコツがいる
「チョコがないけどココアならある!」という日、ココア+油脂で近い方向に寄せることはできます。ただし、チョコはカカオ成分だけでなく砂糖や乳成分も含むことが多いので、完全に同じにはなりません。ここで必要なのが“油脂”です。ココアだけだとコクが出にくく、粉っぽく感じやすいので、バターや油で補います。
コツは、ココアをしっかりふるうこと。ダマになると口当たりが一気に悪くなります。次に、砂糖量の調整。チョコの代わりにココアを増やすと苦味が強くなるので、砂糖を減らすのではなく、むしろ“ちょい足し”が必要になることもあります。
この代用は、レシピの設計がズレやすいので、初心者の最初の1回にはおすすめしません。でも「どうしても今日焼きたい」なら可能性はあります。できれば“ココアケーキ寄り”になる前提で、ホイップやアイスと一緒に食べると満足しやすいです。
生クリーム→牛乳:そのまま置き換えると薄くなる
生クリームの代用で一番身近なのが牛乳。ただ、生クリームは脂肪分が高く、牛乳は低いので、同量置き換えるとコクが薄くなりやすいです。口どけの“とろっ”が減って、軽い仕上がりになります。軽さが好きならそれでもOKですが、「濃厚にしたい」狙いだと物足りないかもしれません。
対策としては、牛乳を入れるなら“少量”にする、またはバターを少し増やしてコクを戻す、などの調整が考えられます。ただしバターを増やすと生地が重くなりやすいので、増やしすぎは注意。結果として、牛乳代用は「少しだけ入れて香りを整える」くらいが扱いやすいです。
代用の考え方は、足りないもの(脂肪分)をどこで補うか。これが分かると、レシピの応用がぐっと楽になります。
置き換え早見(ざっくり方向性)
| 置き換え | 仕上がりの変化 | コツ |
|---|---|---|
| バター→植物油 | 香り↓、しっとり↑ | チョコやココアで香り補強 |
| 薄力粉→米粉 | もっちり・しっとり寄り | ふるう、量は控えめから |
| 砂糖→はちみつ | 香り↑、生地ゆるめ | 一部だけ置き換えが安全 |
| チョコ→ココア+油脂 | 苦味↑、粉っぽさ注意 | ふるう+油脂でコク補強 |
| 生クリーム→牛乳 | コク↓、軽め | 少量にしてバターで補う |
材料から逆算!よくある失敗と原因チェック
真ん中が生っぽい:卵と油脂の比率が影響
ガトーショコラで多い悩みが「真ん中が生っぽい」。これは“失敗”というより、狙って半生っぽくするタイプもあります。ただ、切ったときにドロッと流れるレベルなら、焼きが足りない可能性が高いです。
材料側で起きやすい原因は、卵が大きかった(Lを使った)などで液体が増え、生地がゆるくなったケース。卵のサイズ差は地味に効きます。
また、生クリームやはちみつを入れて水分が増えたのに、焼き時間をそのままにしてしまうのもありがちです。
対策は、焼き上がりの見極めを“時間だけ”にしないこと。表面がしっかり焼けて、中央が少しだけ揺れるくらいならOK、というレシピも多いです。心配なら竹串を刺して、ドロッと液体が付くなら追加で数分。生地が変われば焼きも変わる。材料を変えた日は、焼きの判断を少し丁寧にするだけで成功率が上がります。
パサつく:粉・焼きすぎ・砂糖不足のどれか
パサつきは、だいたい原因が3つに絞れます。1つ目は粉の入れすぎ。薄力粉やココアを増やしすぎると、しっとりより“ケーキ”に寄って乾きやすいです。2つ目は焼きすぎ。ガトーショコラは「焼き切る」より「焼きすぎない」のほうが大事な場面があります。3つ目は砂糖不足。砂糖を減らしすぎると、甘さ以前に水分を抱える力が減ってパサつきやすいです。
材料の改善として効くのは、まず砂糖を極端に減らさないこと。次に、粉はレシピ通り。もし“軽くしたい”なら粉を増やすのではなく、メレンゲを丁寧に作るレシピを選ぶほうが近道です。
食べ方の工夫も強いです。焼いた当日より、1日置いたほうがしっとりすることが多い。ラップして冷蔵庫で寝かせると、チョコの油脂が落ち着いて口どけがまとまります。パサついたと感じたら、温めすぎない程度に少し常温に戻して食べるのもおすすめです。
ひび割れる:悪いことじゃないけど理由はある
表面のひび割れ、気になりますよね。でもガトーショコラでは、ひび割れ自体が“即失敗”ではありません。むしろ、しっかり膨らんだサインでもあります。ひび割れが起きる理由は、焼いている途中に生地が膨らみ、表面が先に固まって、内側の膨張に耐えきれず割れるから。
材料面での要因としては、粉がやや多い、卵の力が強い(よく泡立てた、卵が多い)、焼き温度が高め、などが重なると割れやすいです。対策は、温度を少し下げて時間を伸ばす、型に入れた生地の表面をならしておく、などが有効です。
ただし、割れても粉糖をかければ一気に“いい感じ”になります。プレゼントなら、割れ目に粉糖がたまって見た目が映えることも。ひび割れは欠点というより個性。気にしすぎないのも、お菓子作りが続くコツです。
ざらつく:砂糖の溶け残り・温度管理のサイン
口に入れたときのザラつきは、けっこうストレス。原因は主に2つで、砂糖が溶け切っていないか、チョコが分離しかけて粒っぽくなっているかです。
砂糖が原因なら、卵と砂糖を混ぜる時間が短かった可能性があります。特にグラニュー糖は溶けやすいけれど、混ぜが足りないと残ります。粉糖を使うと溶けやすくなるのはこのため。逆に、チョコ側が原因なら、材料の温度差が疑わしいです。冷たい卵が入ってチョコが固まり、粒になったまま混ざってしまう、といったパターンです。
対策は、材料を常温に寄せること、混ぜる順番を守ること、そして急がないこと。ザラつきは“雑に混ぜた罰”が出やすい部分なので、丁寧にやればちゃんと消えてくれます。次回は、卵と砂糖の泡立てを少し長めにするだけでも改善しやすいです。
チョコが分離した:温度差と混ぜ方で起きる
チョコが分離すると、生地がボソボソしたり、油が浮いたりします。よくある原因は、温度差が大きいこと。熱いチョコに冷たい材料が入る、またはその逆で、油脂が急に固まって混ざらなくなる。もうひとつは、水分が一気に入って乳化が崩れること。卵を少しずつ入れずに一気に入れると起きやすいです。
分離しかけたら、落ち着いて“温度を整える”のが第一。ボウルの底をぬるま湯に当てて少し温めながら、ゆっくり混ぜると戻ることがあります。逆に熱湯や強火で温めると悪化しやすいので注意。どうしても戻らない場合でも、焼くと意外と食べられることもありますが、口当たりは落ちやすいです。
予防は、チョコベースを熱くしすぎない、卵は常温、混ぜるときは少しずつ。材料の温度と混ぜ方、この2つを守るだけで分離はかなり減ります。
まとめ
ガトーショコラの「材料」は、シンプルに見えて実は差が出るポイントがたくさんあります。まずはチョコ・バター・卵・砂糖・粉類の基本を押さえ、特にチョコの種類とカカオ%で味が大きく変わることを意識すると、狙い通りの仕上がりに近づきます。卵のサイズ差(MとLなど)や、純ココアと調整ココアの違いは、失敗の原因になりやすいので要チェックです。
さらに、生クリームや塩、バニラ、ナッツのような“ちょい足し”は、少量で完成度を上げられる便利な選択肢。代用もできますが、置き換えたら食感や焼き方が変わる前提で、焼きの見極めを丁寧にすれば成功しやすくなります。
